ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2017年4月号 NO.215

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2017年4月号 NO.215

4コラム/中島久美子写真/加々美吉憲デザイン/若岡伸也心のヒダ 先日、年長児と私は事務所と呼ばれる狭い部屋で卒園証書入れの製作をした。隣の部屋では年中少児が卒園児へのプレゼント作りをしていた。年長児はものすごい集中力で証書入れを作り、大作が何個もでき上がった。すると急に数名の年長児が年中少児の部屋へ行った。何か理由があるのだろうと思っていると、年長児がプンプンしながら事務所に戻ってきた。「来るなって言われた!」。「来ちゃダメって押された!」。怒る年長児。わけを聞いたらこうだった。日頃年長児は年中少児の面倒をとことん見ている。本日は別れての活動だったので、「うさぎ(年中)組とおばけ(年少)組がお茶とかこぼして困っているかと思って見に行ってあげた」とのこと。心配で仕方ないのだ。せっかく行ってあげたのに来るなと怒られ、彼らの善意も思いやりも一気に潰された。だからとても怒っていたのだ。こういうときは大人が気持ちをわかるようにしている。中島「せっかく見に行ってあげたのにね!」。「そーだよ!!」。怒りは収まらない(笑)。私はケンカのときには必ず両者から話を聞くことにしている。年中少児はこう言った。中島「どうして来ないでって言ったのかな」。「お楽しみだから」。卒園式のときに大好きな年長児を驚かせてあげたい。だから作品を事前に見てほしくなかったのだ。そこにいた保護者が「これは愛情と愛情のぶつかり合いですね」と言った。そうなのだ。お互いを想いすぎてケンカになった。何とも素敵な子どもたちだと思った。 ケンカは続く。年長児「来てほしくないのはわかったけど、それだったら怒らずに『来ないでね』と言えばいいでしょ!」。「せっかく行ってあげたのに!」。「もう一生助けてあげないから!」。正論だ。するとその言葉にカチンときたのか、年中女児もこう言った。「もう助けてくれなくてもいいもん!! うさぎ(年中)第 回49