ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2017年1月号 NO.212

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2017年1月号 NO.212

14「ねこのピート はじめてのがっこう」編集部　大友さんが翻訳を手がけている『ねこのピート』シリーズですが、第３弾は小学校が舞台ですね。大友　小学校での様々な初めての体験を前に、ピートはどうするのか？という内容です。今回も物語はとてもシンプル。編　今回、翻訳で気をつけたことは？大友　原作ではピートが履いている靴にスポットが当たっていて、「Rocking inMy School Shoes」というのが原題なんです。でも日本だと学校に着いたら上履きに履きかえちゃいますよね。そこのニュアンスが違ってきてしまうので、結構大きく変えています。また小学校にすぐには馴染めない子もいるかもしれないので、彼らを勇気づけるようなメッセージも少し織り込んでみました。全国各地でピート現象が…　編　大友さんの絵本ライブでは、ピートは子どもたちに大人気。その理由は？大友　絵本と歌がセットになっていて、子どもと一緒にかけ合いができる楽しさでしょうね。アメリカではYouTube の絵本ライブをきっかけに爆発的に売れたのですが、日本の出版社が私に翻訳を依頼したのは、絵本ライブができるからというのが一番の理由みたいです。編　日本の幼稚園や保育園の現場でも、“ピート現象”が起きていると聞きました。大友　保育士や図書館のよみきかせ担当者から「他の絵本とは子どもの反応が全然違う」と聞くことがよくあります。小学校では、ピートを読むとクラスが盛り上がりすぎて、隣から苦情が来るとか…。秘められたメッセージ？編　大友さんも絵本ライブをしていて、何か感じることがありますか？大友　ポップな絵とポジティブな言葉、読む人と子どものかけ合いで盛り上がって、「わー、楽しいな！」という時間を過ごすんだけど、最後のシーンではちゃんと静かになって聞いている。楽しい！だけじゃなく、作者がこの絵本に込めた深いメッセージを、子どもたちがちゃんと理解しているんだと感じています。編　深いメッセージって？大友　作者はこの絵本に、日本の「禅」の思想を込めたそうです。ピートの「何があっても歌を歌って前に進む」という考え方には、どんな境遇にあっても今日を精一杯生きるという、禅のメッセージが込められているのだと思います。そういう奥深さも、この絵本の魅力ですね。絵本ライブショーを開催！編　１月８日には絵本ライブショーも行いますね。ピートも登場しますか？大友　もちろんです！　今回のライブには、『ねこのピート』の文字画を描いてくださった絵本作家の長谷川義史さん、YouTube の『ねこのピート』の絵本ライブで華麗な演奏をしているサックス奏エリック・リトウィン＝作ジェームス・ディーン＝絵大友剛＝訳、長谷川義史＝文字画（ひさかたチャイルド 2016 年）ひたすらポップでポジティブ！だけど深い…ねこのピートが人々を魅了する理由は？大友剛さん山梨県在住のミュージシャン。音楽・マジック・絵本ライブを組み合わせたパフォーマンスを全国各地で行う他、絵本の翻訳者としても活躍。訳書に『ねこのピート』シリーズなど。音楽や絵本の仲間とともに、東日本大震災や熊本地震の被災地支援活動も継続中。者の岡淳さん、そして女優の室井滋さんが出演します。特に室井さんのパフォーマンスはぜひ観てほしい。いろんな人の声を自由に操って、絵本と映画とミュージカルの魅力がミックスしたようなステージを披露してくれるはずです。私も音楽でお手伝いしながら、大人の心が動くようなライブにしたい。大人の心が動けば、子どもたちの周りに絵本や音楽やアートがもっと増えると思うから。編　大友さんにとって、「絵本」というメディアのいいところって？大友　絵本を読む数分の間に、子どもとつながれるところ。実体験じゃないけど未知の世界を一緒に旅しているような感覚になれる。それは音楽と同じかな。今、わが子のために絵本を読みますが、絵本と音楽は、私にとっての子育ての大切な柱のようなものになっているんですよ。●しげちゃん一座 絵本ライブショー2017 年１/８（日） 開場 13：00、開演13：30会場＝コラニー文化ホール（全席自由）前売り 大人2000 円、子ども（３歳以上）1000 円TEL090-5075-6669（大友）