ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2017年1月号 NO.212
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ちびっこぷれす Chibikko press 2017年1月号 NO.212
12作者に聞きました! ワタシが描いたこの一冊「えんぎがいい」 福を招く猫、安産・多産の象徴の犬、ちょっと怖いヘビやオオカミも神様の使いなので縁起がいい…。昔の人たちは身近な動物のしぐさや習性を見て、時にはダジャレのようなこじつけも行いながら「きっと明日はいいことがある」としてきました。“えんぎがいい”は、自然を恐れつつも敬いながら暮らし、あまり自己主張をしない日本人が、前向きに生きるための思考法だったように思います。 そんな和風ポジティブシンキングを、子どもたちにわかりやすく伝えたい。そしてこの絵本が、お守りのような一冊になればいいなと思いながら作りました。縁起がいいという漠然とした概念をわかってもらうために、たくさんの動物たちに登場してもらっています。ちょっと困ったとき、初めての体験にドキドキしているようなときに、縁起のいい動物たちの力も借りて、「これで大丈夫かな」と思ってもらえたら嬉しいです。 出版社から「和風の絵本を」との依頼を受けて作りました。黒い紙を切り、白い部分に絵の具で着彩するという手法で描いた『旅館すずめや』のおかげもあって、いつのまにか“切り絵で和風の絵本雨宮尚子(白泉社 2015 年)かわいい動物たちが伝える“ 和風ポジティブシンキング”雨宮尚子さん山梨県出身の絵本作家。切り絵を使って描いた絵本『旅館すずめや』などで知られる。平日は東京で絵本やイラストの仕事を、週末は山梨で農業を営む “兼業農家”。ウェブサイト「日本列島知恵プロジェクト」で、桃農家の1年を絵と文章で綴った『桃暦』もユニーク。を描く人”になってしまったみたいです。「和風」や「切り絵」にこだわっているわけでもないのですが、私自身は和の道具や模様やイベントが大好き。 神社や道祖神、童謡や昔話…、和の風景や思い出には、時が止まったような叙情感があるよう思います。私は山梨の田舎でそれらに囲まれて育ったわけですが、今描く作品の細かい表情や雰囲気は、幼い頃に自然の中で遊びながらインプットした何かが現れたものなのでしょう。勉強して獲得したものも大切ですが、最後の最後に頼りになるのは、子ども時代に体験した純粋な驚きや感動、“好き”という気持ちなのかもしれませんね。