ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年12月号 NO.211

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2016年12月号 NO.211

4 先日月刊「クーヨン」(クレヨンハウス発行)の取材があった。テーマは「しつけ」。難しい内容だったが、ピッコロ関係者が色々考えるきっかけになったと思う。確かにピッコロっ子はものすごく怒らなくてもわかると私は思っている。 先日もこんなことがあった。昼食を食べようとしたら年少男児の弁当がない。保護者に連絡したら確かにリュックに入れたとのことだ。全員で散々探した。けれど見当たらない。こんなこと初めてだったが、仕方ないので食べ始めることにした。子どもたちは何も言わなくても弁当箱のふたを貸し、それぞれが弁当を分けた。彼の目の前には次々とご飯、おかずが集まる。幸せな光景だと思った。しばらくすると、その年少児がみんなからいただいたもののコラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也しつけ第 回中からこんにゃくを私にくれた。ピッコロではお弁当を交換して食べることがある。この「交換」については、以前保育スタッフで21時まで論議した。我が子のために早起きして作った弁当を友にあげるという行為に、保育スタッフの気持ちがざわざわしたからだ。でもそれは「好きなものを分け合って食べると更においしい」という気持ちなので、弁当をあげるということは気持ちをあげることなのではないか。我が子が自分だけで食べたい好きなものを友と共に食べたいと思うそのことは、親にとっては喜びにつながるのではないか。おいしいものは分け合って食べるということは人として本来ずっと持ち続けてほしい心なのではないか…。まぁ喧々諤々話した結果、弁当交換はありということになったのだ。だからその年少児は私にこんにゃくをくれた。けれど彼の様子が少しおかしい(勘ですが)。なので一応聞いてみた。「ありがとうね、でも何で私にこんにゃくくれたのかな」と。すると彼は素直にこう言った。「僕こんにゃく嫌いだから」。ゲ、ここ大事です。大人どうしますか。年少児だったので少し迷ったが、私はこんにゃくを彼のふたに返してそっとこう言った。「嫌いなものくれたらちょっと嫌な気持ちだったよ」。好きなものを好きな人と食べたいからあげるのだ。交換ありは嫌いなものを食べなくていいしくみではない。そしてこれを、決まりでなく気持ちの問題で彼に伝えたかったので、この言い方にした。すると彼は「わーん」と泣き出した。すぐに数名の年長児が来たので、事実だけを話したら「そ45