ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年8月号 NO.207

ページ
5/48

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2016年8月号 NO.207 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2016年8月号 NO.207

5神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で〝子どもたちが自分で考え、自分で決める?保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。だからいいと思う」と言った時、その場にいた誰もに「うんうん」「それはそうだ」という空気が流れた。もちろん彼らは幼児なので、ピッコロへ登園できるかできないかは保護者の意向による。私はこの場が「自分のことは自分で決める」ということが大前提にあり、その決定は他の誰にも侵されず、その上で彼らが自分の意見を言っていたということに驚いたのだ。 ドイツ発祥で現在オランダで広がっているイエナプランという教育方法がある。個人的に今、注目しているのだが、先日ユーチューブで動画を見た。その学校の先生がインタビューを受けていた。「教育者として何が一番大事だと思いますか」。その先生はこう答えた。「自分が自分自身であること」。それを聞いた時私はどっと涙があふれてしまった。指導がうまいとか、知識があるとかそんなことではない。もちろん自分が思った通りやればいいというわがままな考えとは全く違う。私は大学で「保育は人間性です」と習った。この言葉に近いと感じた。女性だからこう言う、教育者だからこうした、母だからこう思う。私たちはいろいろな立場で生きている。それも踏まえ、その立場とは別に「自分が自分自身であること」。それが子どもの前に立つ教育者にとって一番大事なことだと言っていると聞こえたのだ。そうだと思った。この1 0年間、子どもたちはその「中島自身」の部分だけを見ているような気がしてきたからだ。もちろんそれをするには教育者本人が自分の内面を見なければならない。私は自分を見てきたのだろうか。その言葉はエゴから出たのではないか、いい加減に流しているのではないか、と日々自分の内面を見られているのだろうか。そして今まで、教育がそれをしてこなかったから多くの人は自分探しの旅に出かけるのだろうか。その辺のことを考えるとよくわからなくなる。しかし子どもは自分で休むということを決め、それに対しての自分の意見を持ち、自分の内面も見ている。このコラムの題「こたえは森のなか」、そして私は答えは自分の中にしかないと思うのだ。