ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年5月号 NO.204
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ちびっこぷれす Chibikko press 2016年5月号 NO.204
5神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で〝子どもたちが自分で考え、自分で決める?保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。様は答えがない問 題をくれるわけない。そんな神様は悪い人じゃない」と。だから答えは必ずあるということだ。私には答えをみんなで考えたいと聞こえた。それにしてもここで神様という言葉が出てくるのか! 計 算をするということにも世の中の摂 理を含めて考えているひろと君に驚いた。すると次に年 中 男 児こはく君が言った。「わかった!1つ足しちゃえば!」。500円に100円足しちゃえばいいということだ。ナイス。頭が柔らかいなぁと思ったけれど、年 長 児に軽く却 下された。するとまた誰かが言った。「わかった!真ん中を1つ取っちゃえば2と2」。「それで(その 1 0 0 円で)お菓 子 買っちゃう!」とも言った。中指(半端な1 0 0 円 )を取り除き、それでお菓子を買っちゃおうということだ。素晴らしい。しかしこの案も軽く却下された。もう無理かなと思ったが、子どもたちは前のめりに見える。こんな時はもう少し続けた方がいい。煮 詰まってきたと思った時 、ひろと君が 言ったのだ。「 1 0 円のものを買う時に2 0 円出すことがある」。多分これはお釣りをもらうことがあるということで、そこから1 0 0 円をもっと小さい単位にわけられるということを言いたかったのではないかと感じた。だが解釈が合っているかはわからないので、「お釣りもらう時あるものね」と言うと、「うん」と言った。ここで中 島 の 解 釈が合ってないと、彼の顔が曇ったり訂正したりする。多分解釈はこれで合っている。すると年中女児みらいちゃんがとても小さい声でつぶやいた。「100円は50円と5 0 円 」。お!!!! 子どもたちは3秒くらいシーンとした次 の 瞬 間に「あーーいーーねーーー!」と大拍手になった。場が突然明るくなった。それからは簡単だった。子ども1 人の運賃は2 9 0 円 。子どもたちにとっては「すんごい難しかった」らしい。全員がものすごく集中していた20分間。 私は580÷2ができる子を育てたいわけではない。これは学校に行けば教えてくださる。あきらめない、みんなで協力したらできた、やりきった。この考える経験が心地いいという感 覚を得てほしいのだ。卒園児は「がんばればなんでもできる」と言って毎年卒園する。そう、ただの大丈夫ではない。本当に自分たちで獲得した大丈夫なのだ。よっしゃ、がんばれ、1 年生。