ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年5月号 NO.204
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ちびっこぷれす Chibikko press 2016年5月号 NO.204
4 とうとう3月に10名が卒園してしまった。寂しい毎日だ。 毎年3月に卒園児全員とスタッフ4人で卒園旅行に行っている。長坂駅から甲府駅までJRで移動し、甲府で1泊するという旅だ。集合駅まではご両親が連れてきてくださるが、そこからは自分たちで作っていく。準備も子どもたちがやる。まず運賃。子どもたちは各自調べてきた。両親にネットで検索してもらった子、お母さんに聞いた子、様々だ。年長女児はーちゃんは長坂駅の駅員さんに聞いてきた。「運賃は580円。大人が1人につき子どもは2人払わなくていい」と教えてくれたそうだ。大人4名なので子ども8人が運賃を支払わず乗車させてくださる。ということは2名だけが切符を買うことになる。コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也割り算第 回しかしこのことは年長児には理解できるのだろうか。私は「どういう意味だかわかる?」と聞いてみた。すると子どもたちは口々に「2ずつ進む」や「6人?」などと言いながら考え始めた。すると突然年長女児ひろちゃんが言ったのだ。「8人がただ!」。あ、幼児でもわかるのだ。8人無料というところは掛け算か足し算、2人のところは10-8の引き算だ。しかも暗算。すごいなぁと思っていたら「お金払うさんは誰にするの」と、すぐ切符を買う子を決め始めた。大人の出番はない。 後日、帰りの会で再び話し合いをした。最初にはーちゃんが「子どもは大人の半額だって言ってた」と言った。おや、再び難問だ。運賃580円の半額は?という問題が出たのだ。まずひろちゃんが「半額は半分」と言った。580円の半分、幼児は580円÷2の計算はできるのか。「80円はすぐにわけられるんだけどな~、40円」。子どもたちはすぐに500円と80円にわけた。いくらなんでも500円をわけるのは難しいだろうと思い、私は5本の指を開いて子どもたちの前に掲げた。すると「こっちが3になるとこっちが2だし、こっちが2になるとこっちが3だし」と言った。どちら側に中指が行っても等分にはならないということだ。すると年中男児あー君が「あ!中指を真ん中から切っちゃう?」と言った。話がいい方向に行った!と思ったら、子「でもわけられないし~」と却下。硬貨を2つに切ることはできないという解釈のようだ。惜しい。すると年長男児ひろと君がこんなことを言った。「神38