ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年12月号 NO.199

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ちびっこぷれす Chibikko press 2015年12月号 NO.199

30小児科Dr.宮本の連載コラム午後10時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業(現在夜間診療は終了)。2009年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.128 乳幼児突然死症候群(SIDS)について 紅葉の秋が終わり、冬がやってきました。今月は忘年会、クリスマス、お正月の準備、年賀状作成などすることがたくさんありますね。うちの3歳の娘は最近言葉も増え、無邪気でとても楽しい年齢になりました。サンタさんからもらえるプレゼントの話をしながら、クリスマスがやってくる日を楽しみにしています。その反面、親の私たちを戸惑わせるのが、歯みがきの仕上げ磨きです。毎夜私が手足を押さえて妻が歯ブラシで磨く時、大暴れで泣きながら反撃してきます。 先月はSIDS対策強化月間でした。そのため今月は乳幼児突然死症候群(SIDS)についてお話します。私は10数年前、千葉市で勤めていた病院でSIDSにより赤ちゃんが亡くなった経験をしています。すやすやと寝ていた赤ちゃんが息をしていないとママが気づき、救急車で搬送されました。病院到着時は心肺停止状態で、心肺蘇生などの処置をしても助けることができず、今でも忘れることができない出来事です。乳幼児突然死症候群(SIDS)とは SIDSはSudden Infant Death Syndromeの略で乳幼児突然死症候群といいます。それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく睡眠中に突然死亡する病気です。日本ではおよそ6000?7000人に1人の赤ちゃんが亡くなっています。生後2?6ヵ月に多く、希に1歳以上でも発症することがあります。発症は年々減少傾向にありますが、平成26年は全国で146人の赤ちゃんが亡くなっています。0歳の死亡原因の第3位となっています。中枢性防御反射の未熟性から突然死になるのでないかと言われていますが、原因はまだわかっていないのが現状です。伝染病や事故ではなく、病気であるということまではわかっています。予防法 原因がはっきりしていませんが、以下の3つを守ることで起こる可能性が低くなります。①うつぶせ寝を避けようあおむけ寝に比べて、うつぶせ寝の時にSIDSの発症率が高いという研究結果が出ています。寝かせる時は上を向かせてください。寝返りができるようになってくると、途中でうつぶせ寝になる場合がありますが、初めからはうつぶせ寝にしないでください。②たばこをやめよう両親が喫煙する場合、喫煙しない場合よりSIDSの発症率が高くなるというデーターがあります。妊婦自身が禁煙することはもちろん、妊婦や乳児のそばでの喫煙も避けるよう身近な人の協力が必要です。妊娠・出産をきっかけに禁煙をお勧めします。喫煙を続けることはSIDSだけではなく、お子さんの中耳炎・ぜんそくにかかりやすくなることも明らかになっています。また年々値上がりするタバコを購入するために経済的負担も大きく、その上ご本人の健康寿命も短くなります。この機会に禁煙を考えていただけるとありがたいです。③できるだけ母乳で育てよう母乳で育てられている乳児は、人工乳の乳児と比べてSIDSの発症率が低いと言われています。人工乳がSIDSを引き起こすわけではありませんが、できるだけ母乳で育てるようにしましょう。母乳には人工乳には入っていない免疫(病気から守るお薬)も入っていますし、お金もかかりません。お湯なども必要ないので災害にも強いです。他にも母子相互作用などの心理面から見てもたくさんのメリットがあります。 他に、男児・早産児・低出生体重児に多く見られる。季節は冬季に、時間帯は早朝から午前中に多いということがわかっていますが、過度に心配する必要はなく、このような病気があるということと予防について知っていただくことが大切です。 NPO法人SIDS家族の会(www.sids.gr.jp/index.html)をご覧にいただけると、SIDSについての知識がより深まります。参考文献:乳幼児突然死症候群(SIDS)について 厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/sids.html乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2報)平成9年度厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」