ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年11月号 NO.198

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年11月号 NO.198

5神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で〝子どもたちが自分で考え、自分で決める?保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。ゆっくり話ができないということは、来客に対して失礼だ。そしてゆくゆくは落着きのない子とレッテルを貼られるかもしれない。子どもはそれがよいことなのか、怒られることなのかわからなくなる。一 方 、緊 急 時は別として、毅 然とした態 度で「ごめんね、今大事な話をしているのよ」とやんわり断る。大人の話に口を挟むようなことがあったら「大人の話に子どもは入らないのよ」と普 通に言う。こんな態度の大人に接した子は、そういうものだと思う。子どもは自分たちだけで遊ぶ選択をする、大人もイライラしない、来客にも失礼でない、話も進む、わきまえた子と褒められるかもしれない。この2 つの例は大 人の態 度によるのだ。自分の頭で考える子と大 人の態 度 、これが教 育で躾かもしれない。また何もしてない時に子どもが来たら思いきり遊ぶ、大事なことをしている時 には毅 然と相 手にしない。この大人の臨機応変な態度に子どもの臨機応変さが身につくとも思う。 私の母はやさしく厳しい人だった。私のことは目の中に入れても痛くない。けれど厳しかった。来客時失礼なのでその場では叱らない 。しかし帰った後が 怖かった。来客に出したお菓子をねだった時、大人の会話に入った時「子どもは大人の話に入るものではありません」とよく叱られた。母から理 由の 説 明はなかった。だめなものはだめなのだ、それでいいと思う。 一見やさしく見える大人の態度で、子どもたちはどんな子に育つのだろう。その場だけやさしく接するのはとても簡 単なことだと思う。毅然とした態度の裏には、子どもへの願いとその人なりの考えがあるからだ。でないと毅 然はできないと思う。だから難しい。 大人は大人の世界にいていいし、子どもはそこには入れない。当時は「大人だけずるいな」と思った私だが、今考えるとあれは大人への憧れの一歩だったのかもしれない。昨 今 大 人になりたくない子どもが増えた。大人の世界を作り楽しく生きる。大人への憧れを作るのは大人の役目なのだ。今の時代とても厳しいことかもしれないけれど…(汗)。