ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年11月号 NO.198

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ちびっこぷれす Chibikko press 2015年11月号 NO.198

4 先日、山梨県議会議員の方お2人がピッコロへ視察にいらした。その日は小川へ遊びに行ったが、そこにゴミが落ちていた。年中女児らーちゃんがビニール袋にゴミを集めた。子どものことは聞いてみないとわからないことが多いので、私はよく質問することにしている。らーちゃんに「なんでゴミを拾ったの」と聞いた。「拾いたかったから」と返ってくると思った。もしくはよくても「川が綺麗な方がいいから」だと思っていた。すると彼女はこう言ったのだ。「だってシカさんが食べたら死んじゃうでしょ」。げ、そこ!腰を抜かした。自分がやりたいというレベルではない。川が綺麗な方がいいという、自分から少し離れた自然のことを言っているわけでもない。彼女は社会と命を見ていたのだ。完敗。大人が子どもを見くびるのもいい加減にした方がいいと思った。県議の方もそれを見て驚かれていた。 川での視察が終わり、園庭の東屋で懇談が始まった。子どもたちは同じ園庭で弁当を食べる準備をしている。弁当を取りに行く子、トイレに行く子。その自由な時間に、議員さんと私と保護者数名が東屋でお茶とお菓子をいただいている。なのにそこに近寄ってくる子どもがいないのだ。普通は「いいな~、大人だけおやつ食べてずるいな~」と近寄ってくるものだ。しかし来ない。これはどういうことだろう。多分子どもたちは議員の方々と中島たちが遊びで集っているわけではないこと、自分たちのために話していることがわかっているのだと思う。だから寄ってこないのだ。わきまえているとも言う。 また毎日森へ行っているだけではこんな子どもたちには育たない。大人の態度が重要だ。東屋に子どもたちが近づいてきたら、大人はどんな対応をするのだろうか。例えば話しかけてきた子どもたちに大人が嬉しそうに対応するとする。すると子どもたちはその行為がよいことだと判断する。すると何回も近寄ってきては話す、そのうち騒ぎ出す。最初は大人も話しているが、だんだんエスカレートして怒ることになる。怒らなくても、大人がコラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也大人の役目第  回32