ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年8月号 NO.195

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ちびっこぷれす Chibikko press 2015年8月号 NO.195

48編集部 いよいよ子ども・子育て支援新制度(以下「新制度」)がスタートしました。鈴木 新制度のポイントについて言うと、幼稚園・保育園の財源を一本化して未就学児の保育を質量ともに向上させる。認定こども園の促進。地域の子育て支援のメニューを位置づけし直し、さらに充実させる。この3つになると思います。進む認定こども園化?編 山梨ではどう変わりましたか?鈴木 認定こども園が6園から 27園に増えました。来年度はさらに28園が増えるという新聞報道もあります。親御さんたちが新制度を実感するのは、入園手続きや保育料を支払う時ではないでしょうか。新制度では、市町村から1号・2号・3号の認定を受け、そして保護者の所得に応じた保育料を市町村が決めます(右頁の図)。編 県内の幼稚園の受け止め方は?鈴木 少しややこしいのですが、新制度が始まるにあたって、幼稚園の選択肢は3つありました。①認定こども園に移行する。②新制度の幼稚園になる。③従来のままの幼稚園にとどまる。③の場合は保護者の所得に応じた保育料を市町村が決めるのではなく、保育料は幼稚園が設定し、保護者は「就園奨励費」という補助を受けることになります。新たに①に移行する幼稚園がある一方で、約半分の園が③にとどまっているのも現状です。編 聖愛幼稚園さんは認定子ども園に移行しましたね。その理由は?鈴木 一昨年、在園児の保護者にアンケートをとったところ、パート勤務なども含めて 45%のママが何らかの形で働いていました。さらに30%のママは、今は働いてないけれど状況が整えば働きたいと思っていることもわかりました。それを考えると、認定こども園になる必然性があるという判断です。認定こども園のメリット編 やはり認定子ども園になることのメリットはあるのですね。鈴木 甲府市では、昨年度までは月80時間かつ20日以上働いてないと保育認定が得られなかったのですが、新制度になってからは、月48時間で日数の制限なく保育認定が受けられるようになりました。実際に幼稚園の45%のママのかなりの部分が保育認定を得られるようになり、より園生活を送りやすくなっていると思います。今まではママが第2子を妊娠して産休・育休をとると、保育園に預けていた子は園をやめたり、幼稚園に転園したりしていた。そういったことも認定こども園ではなくなります。編 課題は?鈴木 これまでだと“園の教育方針に賛同する”方が入園を希望していたのですが、これからは“子どもを預けやすい園が近くにあるから”という理由で入園を希望する人が増えるかもしれないという懸念はあります。まさに“園の教育方針”こそが私立幼稚園の存在意義なので、そこを理解していただくための努力を今まで以上にしていかなければならないのかなと感じています。地域の子育てを見直すチャンス編 新制度について、全体的によかったと思われます?鈴木 幼稚園・保育園の保育料は所得の低い人ほど軽減されるというしくみですが、全体的に見ても下がっているはずです。親の就労形態に関わらず、すべての子どもに保育・教育の機会を提供するという、認定こども園の理念も実践されつつあるように思います。まだ始まったばかりですが、国の本気度を感じています。編 新制度について、親御さんにわかってほしいということがありますか?鈴木 新制度の保育料の基準は、実は市町村によって多少のばらつきがあります。また新制度では認定こども園等の施設面だけでなく、「一時預かり保育」「放課後学童保育」など、子育てを支援する様々なメニューの充実が図られます。ぜひ住んでいる市町村の施策をチェックしてほしい。新制度は地域の子育て支援を見直すチャンス、少子化を止めるチャンスだと思うので、子育て中の親御さんも含めて、みんなで地域の子育てをどうするか考えてほしいと思っています。どう変わった? 今年春からスタートした子ども・子育て支援新制度幼稚園は文科省、保育園は厚労省…その従来の枠組みを内閣府に一本化し、未就学児の教育・保育のしくみを大幅に変えた「子ども・子育て支援新制度」がスタートしました。その革命的な変化が、実際にどのようなメリットを親子にもたらしているのか、その課題は、将来の展望は…? 山梨県私立幼稚園連合会会長、認定子ども園・聖愛幼稚園園長の鈴木信行さんにお話をうかがいました。