ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年7月号 NO.194

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年7月号 NO.194

4 森のようちえんピッコロでは、年長児になると園でお泊まり保育を行う。泊まれるか泊まれないか、ぎりぎりのところで揺れながら「やっぱり泊まる」と自分で選ぶところに育ちがあると思うので、毎年その学年の精神年齢によってお泊まり保育の日程を変えている。今年度は5月末だった。 夜、真っ暗な森へ散策に出かける。いつもの森が全く違う森に見えるのだ。持参した懐中電灯で照らしながら登るのだが、やはり怖い。中腹まで行ったら誰かが「今、上の方でドンって聞こえた」と言った。子どもたちは限界だったのだろう。その言葉をきっかけに一目散に駆け下りた。真っ暗な森、しかし全く転ばない。普段の森の力だと思った。 すると後日、年長女児ふーちゃんが言った。「みんなには(ドンという)音が聞こえて私には聞こえなくてなんでかと思った」と。後から子どもたちに聞いてみると、聞こえなかった子は大勢いたのだ。私にも聞こえなかった。怖さは色々な音を感じさせるのか。するとその日から、ふーちゃんは音に関して考え始めた。「どうして聞こえなかったのだろう」から「なんで音は出るのだろう」と。考えた結果がこうだった。「そうか!硬いものと硬いものがぶつかると音が出る」。確かに柔らかいもの同士がぶつかっても音は出にくい。すごい発見だ。すると次にこう思った。「ではどうして手のひらは柔らかいのに音が出るのだろう」。なるほど、考えたこともなかった。次々と疑問がわいてくるのだ。考えた結果は「手のひらは中の骨が硬いから柔らかくても音が出る」。確かに、よく考えるとものすごい発見だ。また少し前から彼女は「私は地球の仕事がしたい」と言い始めた。ち、地球の仕事ってどういうの? びっくりしたが内容はまだ言葉では説明できない。しかし彼女の決心は固いのだ。その後「これは地球の仕事の勉強になると思う」と言った。硬いもの同士がぶつかると音が出るとわかったことなどが、地球の仕事に関連すると言っているのだ。彼女は図書館で地球の本も借りてきた。中は漢字ばかりだった。すると「私、漢字の勉強するの!」とコラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也考える子第  回28