ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年6月号 NO.193
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ちびっこぷれす Chibikko press 2015年6月号 NO.193
16編集部 今回は、子どもの成長のために、パパはどんなふうに子育てに関わったらいいかという話をしていただきたいです。坂本 2歳くらいまでは特定の誰かに愛されることが必要です。自分を絶対的に愛してくれる人の存在が、この世界で生きていく安心感や自信の元になる。編 “特定の誰か”はパパでもいい?坂本 はい。けど実際はママが担うことが多いですよね。おっぱいもあるし。パパはむしろ、ママが幸せになるような環境を作ってあげることが大事です。ホルモンの状態が不安定なので、「ありがとう」「愛してるよ」「キレイだね」と。実際この時期は、女性がとても美しくなる時でもあります。編 産後は体調を崩してしまうことも多いみたいですけど、意外ですね。坂本 授乳の時、脳内ではセロトニンやオキシトシンといった神経伝達物質が出ています。これはジワジワと幸せを感じさせてくれて、また体の免疫機能を高めてくれるので、そのせいもあって美しくなる。だけど同時に、すごく動揺性も高い時期なので、ここでストレスが強いと心身に不調が起こりやすい。だからパパのフォローが必要なんです。編 子どもが2歳になると、「イヤイヤ期」なんて言われます。坂本 何でも「イヤ!」「ボクがやる!」と自己主張を始めます。この時マジメなパパは「ちゃんとルールを教えて、しつけなきゃ」となってしまいがちですが、ここで押さえつけると自己主張ができず自分を信じられない子どもに育ってしまう。子どもと同じ感覚で遊んで、やりたがることはなるべくさせてあげましょう。編 この時期の「やりたい!」につき合うのは大変ですよね。坂本 全部つき合わなくていいです。少しでもできたことがあったら「できるじゃん!」ってほめてあげる。残りを全部パパがやったとしてもね。子どもはそこを都合よく解釈して「自分はできる」と思える生き物なんです。その「自分はできる」を一つひとつ積み重ねていくと、いい感じで育っていくはずです。パパの出番と子どもの脳の成長編 やがてお友だちを求め始めますね。坂本 それまでは自分を大切にしてくれるママだけが見えてたものが、だんだん周りが見え始めて、友だちと遊びたがります。この時、実はパパをすごく参考にしていて、パパが尊敬の的になってくる。編 パパの出番ですね。坂本 パパはお友だちより力持ちで、高い高いもしてくれるし、野球も上手。パパってすごい!と。4、5歳になって筋肉量が増えてきた時は、ゲームなんかせずに外に出て遊んでほしい。体を動かすことで脳が活性化する時期なんです。いい脳を作るための二度とない大チャンス。編 脳を育てるのに体を動かすの?坂本 人間は行動することで進化してきました。新しい場所に行って新しい食べものに出会い、新しいことをして新しい道具に出会い、その出会いによってまた新しい行動が生まれる。初めてのことをする時、ドキドキワクワクしますよね。この時、脳内ではドーパミンという伝達物質がたくさん出ています。編 坂本さんの言う「いい脳」って?坂本 脳細胞同士のネットワークが進んだ脳。色んな神経経路のつながりがあるので、柔軟で可塑性が高い。こっちがダメならあっちという方法論がたくさん出てくる脳です。そういう脳を作るのに重要な働きをしているのがドーパミンで、4歳から10歳くらいの時によく出ます。そしてペーパーでのお勉強よりも、外で体を使って冒険やいたずらをしている時に断然よく出るんです。編 じゃ、このくらいの子どもたちが騒いでいたり、いたずらしてても「あぁ、ああやって脳のネットワークを作っているんだな」と思えばいいんですね。坂本 大企業の創業者で、昔はいたずら坊主だったという人は多いですよ。私は子どもの成長のためには、自然・群れ・遊びの3つの要素が重要で、その中でドキドキワクワクして、脳を活性化させて育ってほしいと思っています。残念ながらその3要素を、今の日本は失ってしまったようですが、パパたちにはそれが揃う環境を意識して作ってほしい。編 そうやって作られた脳には、どんないいところがあるのですか?坂本 困難な状況でも柔軟な対処法がで坂本玲子Dr.に聞きました!“元気な脳”を育てるためにパパがすべきこと