ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年3月号 NO.190

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ちびっこぷれす Chibikko press 2015年3月号 NO.190

34小児科Dr.宮本の連載コラム午後10時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や休日の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業。2009年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.119 小児在宅医療について先月紹介させていただいたチャリティバザーには、たくさんの来場者の方にご協力いただき寄付を集めることができました。場所を提供していただいたフォネットさん、商品の提供をしていただいた初花さん、KO堂さん、そして多数のボランティアの方々のおかげであると感じました。当日、私も慣れない売り子や声かけをさせていただきましたが、終わった後、清々しい気持ちになりました。参加してくださったみなさん、ご協力ありがとうございました。今月は「小児在宅医療」という、まだ新しい分野についてみなさんにお伝えしたいと思います。医療技術が進歩し救命率が向上する一方、重度の後遺症を残した子どもたちが増えてきました。医療機器の進歩に伴って、様々な医療行為が自宅で可能となり、自宅で家族とともに生活できるようになってきています。長期入院をせず家ですごせることは大変喜ばしいことではありますが、いざ外出となると、人工呼吸器や携帯用酸素ボンベを持ちながらベッドや車いすで移動するという大変な労力を必要とします。高齢者ではよく行われている在宅医療が、子どもの分野でも必要とされる時代がやってきています。家族の負担は極めて大きい家族とすごすことが子どもにとっての幸せであることは、誰も否定することはありませんが、重度の後遺症を残した子どもを受け入れる家族の負担は非常に大きなものです。人工呼吸器がある場合に定期的に痰を吸引したり、食事の際にチューブから胃に栄養を送ったり、体位交換したり、入浴や排せつのケアを訪問看護・訪問介護・訪問リハビリを利用しながら行ったりしながら、家族が、特に母親が中心となって対応しています。家族の肉体的精神的な負担は計り知れません。また県内には、子どもに慣れている訪問看護などのサービスはまだ少数しかないのが現状で、このようなサービスがうまく利用されていない場合もあります。レスパイトは絶対必要! 人工呼吸器を使っている場合、家族は24時間常に子どもの様子を見守らないといけません。痰がつまって苦しがる時には吸引する必要もあります。対応を中心に行うのは母親がほとんどです。精神的肉体的な疲労は定期的に解消していかないと、母親が倒れてしまい、残されたきょうだいは母の苦労を気づかい、甘えることを躊躇してしまいます。レスパイトとは「ほっと一息つける時間」という意味で、お子さんを一時預かることで家族がリフレッシュすることを目的としています。県内では一部しかなく、もっと利用しやすくするための整備を進める必要があります。訪問診療を今春から始めます私は3年前にこの分野に興味を持つようになり、学会などで勉強や実習を行ってきました。昨年、東京の大部分の子どもの在宅診療を数名の医師で専門に行なっている「あおぞら診療所」、宇都宮市で開業しながら在宅医療とレスパイトを行なっている「ひばりクリニック」、熊本県で国内でも数少ない小児専門訪問看護ステーションを設けている「ステップキッズ」の3ヵ所へ赴き、見学をさせていただきました。診察室での診療は慣れているのですが、患者さんのお宅へ訪問するということは初めての経験で、緊張しながら見学をしました。訪問させていただいたお母さんから「先生が来るのでとても安心でき、ちょっとしたことでも相談ができるので大変助かります」といった生の声も聞くことができ、大変有意義な経験をしました。県内でも同様に在宅で見ているご家庭があるかと思います。4月から当クリニックで訪問診療を始めたいと考えています。勉強しながらの対応となりますが、ご希望のご家庭がありましたら、ご気軽にうちのクリニックまでお電話で問い合わせていただけたら幸いです。家族の笑い声や季節の香りに囲まれた中でお子さんが成長する、そんな当たり前の生活をサポートし、ご家族に寄り添っていきたいと思います。最後に、どのお子さんにも重度の後遺症を抱えるような事態が起こる可能性があります。みなさんにも子どもの在宅医療の実情を知ってもらい、すべてのお子さんが安心して生活ができる整備づくりに繋がってほしいと願っています。水痘ワクチン、特例措置の期限迫る!3~4歳のお子さんで水痘ワクチンを1回も接種していない人は、今月末までに定期接種として1回の接種が受けられます。接種券が必要となりますので市町村にお問い合わせください。昨秋から水痘ワクチンの定期接種が始まっています。2歳までに2回接種ができます。