ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年1月号 NO.188

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年1月号 NO.188

4 いよいよ寒くなってきた。普通の幼稚園のような園舎のないピッコロの冬は厳しい。午前中は森を歩く。しかしさすがに昼食は室内で食べる。6畳2間の薪ストーブ付き園舎で、肩を寄せ合って食べる弁当は格別だ。  先日のクッキングの日には白飯を炊いた。自宅から米と水とマイ鍋を持ってくる。米1合、水2合をマイ鍋に入れ、焚き火の網の上に各々がのせる。炊き方は全く教えない。すると「まだかな」と言って、子どもたちはパカッと蓋を開ける。「あっ、まだだ」。水がたくさん残っている鍋を見て、すかさず蓋を戻す。こうして何度かパカパカしている間に、米がおいしく炊けるのだ。“赤子泣いても蓋取るな”という言い伝えは何なのだろうと、私は毎回首をかしげている。 白飯炊きの日は炊き上がる時間がまちまちなので、炊けた人から食べていい“自由弁当の日”にしている。それぞれが園舎に入って食べ始めていた。その日私も途中から園舎に入った。外の寒さと違い、薪ストーブの暖かさは心がなごむ。私が自分の鍋で炊いた昼食を食べ始めた時、園舎の端の方で年少児数名が昼食を食べずに集まっているのが見えた。全員が丸くなり座り込んで、下を向いて神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)ふりかけ第22回