ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年11月号 NO.186

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年11月号 NO.186

4 朝の会でいただいた柿を食べた。数はピッタリにしてある。今日も年長児Kちゃんが配布してくれた。配布し終わってみると、手違いで一つ足りないことがわかった。まずい! こんな時は保育力が問われる。またいい保育になることも多いのだ。Kちゃんの分はあらかじめ隣の子が持っていた。配布後Kちゃんが言った。「一つ足りない」。私「え!足りないの!!」。その場がシーンとなった(ここは待つ)。すると次の瞬間にKちゃんが自分の柿を返したのだ! 私「え、Kちゃん返しちゃっていいの!」。Kちゃん「うん」。私はここで誰かが半分あげてほしかった。だから更に言った。私「でもKちゃん食べたいでしょ」。Kちゃん「うん」。私「どーする!食べたいんだってよ!」。またみんながシーンとなった。この沈黙は長く感じる。早く誰かが半分あげてほしいと思っていた。すると年長児K君が言ったのだ。「Kちゃんありがとう」。え!そこ? ありがとうなの?と思ったら、他のみんなも口々に「ありがとう」と言った。シナリオ通りにはいかない。誰も半分あげる子がいないのだ。私「Kちゃんいいの?大丈夫?」。Kちゃんは「大丈夫」と言った。彼女の雰囲気から、自分だけ我慢して嫌だな(自神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)一つ足りない第20回