ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年9月号 NO.184

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ちびっこぷれす Chibikko press 2014年9月号 NO.184

14岩崎 ある朝起きたら、人間以外の別なものに変身しちゃった!どうする?という「なりきり作文」や、動物や植物の目線で四季を描く作文を書いたりするんです。その時に感じるのは、普段から野外で遊んでいる子はすごくリアルに描くってこと。登場する動物やそこに吹いている風の描写が目に見えるようで、文章って頭だけで考える世界ではないんだなって、いつも教えられます。羽中田 教室で「木の中にはオレンジ色だってあるよ」と言っても、「オレンジ色なんてないよー。茶色だよ」って子どもに言われちゃう。でも実際に外に連れて行くと、木の色はオレンジだったり灰色だったりするので、そこで子どもはわかってくれる。次からは木を茶色だけで塗らなくなります。素直に見て感動して、そこから生まれる表現が本物だと思うんです。自然の中にいると、本物を見る目が養われるんですよ。表現することと自然との相性岩崎 作文倶楽部トトロでは、4~9月の前期は、半年かけて一つの大きな物語を書きます。そして後期は意見文に重点を置いた内容。例えば、「理想の学校はどんな学校か?」とか「遊亀動物園をもっと人気のスポットにするための企画書」とか「大人と子ども、どっちがいいか?」などのテーマをディベートしながら理解を深めて、文章を仕上げていくという流れです。でも最近は、子どもたちがあまりにも季節の移り変わりを感じていないので、外に出かけて季節を探したり感じたりする授業をあえて作っています。羽中田 普段の教室では時間的な制限もあり、なかなか外に出る機会が作れない。そこで始めたのが「よりみちアート」です。岩崎 どんなことをするんですか?羽中田 教室から飛び出して、森の中で絵を描いたり、自然の素材を使ってアートワークをしたり。それからチョークで落書きしたり、子どもがお店を出して食べものや自分で作ったクラフトを販売したり。教室に通ってない子も参加OKで、アートだけじゃなく様々な体験ができるような場にしています。岩崎 教室から一歩外に出ると、子どもたち変わりますよね。特に自然の中だと、教室ではおとなしい子がずっとしゃべり続けていたり。「あ、今普段と全然違う面が見えた」って、嬉しく思うことがよくあります。羽中田 すごい人見知りで、普段と違った場所に行くことが全然ダメという子がいました。その子がよりみちアートに来対談 作文倶楽部トトロ×パレットおえかき教室   ?自然の中で表現する子どもたち?作文倶楽部トトロの岩崎美紀さんと、パレットおえかき教室の羽中田桂子さん。時に教室を飛び出して、自然の中での子どもたちのみずみずしい表現に心を寄せる2人の教室主宰者。作文と絵画、ジャンルは違っても、自然に刺激を受けて五感を働かせ、人との交わりの中で成長する子どもたちを見守る視線は同じ。彼女たちが、自然の中で生き生きと輝く子どもたちに見たものは…岩崎 美紀小学生から高校生までを対象とする作文教室「作文倶楽部トトロ」主宰。絵本制作や俳句、行政への意見書など多様な文章表現の教室を開講。“作文”の枠にとどまらず、子どもたちに自ら考えることや仲間と共同することの大切さを伝える。羽中田 桂子幼児から大人までが通う「パレットおえかき教室」を主宰する画家。かつて子どもたちが普通に行っていた“よりみち”にヒントを得た「よりみちアート」も企画。子どもたちが様々なアートや遊び、あるいは“小さな店長体験”を行う場に。