ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年8月号 NO.183

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年8月号 NO.183

4 朝の会、ピッコロでは当然野外で行う。園舎から8m程離れている園庭に丸太が五角形に置いてあり、そこに座って行う(ここはイエと呼んでいる)。ほとんどの子どもたちがイエに集まってきたので、さぁ歌でも歌おうかなと思っていると、園舎の近くで子どもが一人うろうろしている。あれ、もう朝の会なのに…と思っていると、その子が泣き出したのだ。遠目に見てケガをしている感じではないので、私はイエの丸太に座ったまま「どーしたのーー?」と聞いた。すると遠くで「水筒がない」と言うのだ。この時期野外保育では、熱中症対策のため水筒がないのはとても困る。私は「えーー!水筒がないのーーー!それは困ったねーーーー!!」と大げさに言った。そしてわざとそばに行かないようにする。子どもたち同士がつながり、解決してほしいと思うからだ。すると年長児がすぐに「見てくる!」と言った。私は「お願いね」と言った。するともう一人の年長児も「僕も見てくる!」と言う。再び「頼むね」と言った。すると「私も見てくる!」「俺も!」「私も!」年長児のみならず、年中児、時には年少児までもが見てくると言うのだ。その度に私は「お願いね」と言った。そしてイエに残っている子が5名くらいになった。ほとんどの子が走ったということだ。子どもたちは園舎の周りや神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)ひとごと第17回