ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182

5から知るのかもしれない。そしてこれは年長児が権力を行使したということにもつながる。権力にものを言わせる汚い大人には絶対になってほしくない。だから口を挟むのだ。もしこれを大人がスルーしたらどうなるか。権力に従う子になるのか、その辺はよくわからない。しかし人 生の大事な何かが 落ちていくような気がする。そしてありがちなのは、何かを言うべきなのかどうかを考えているうちにその場が流れてしまうということだ。瞬時の判断は訓練を要すると思う。 ピッコロでは野外でシートを敷き弁当を食 べるが 、ある日シートに寝そべって食べている子がいた。すかさず私が釘を刺した。「あれ、寝ながら食べてるの」と普 段の口 調で言った。すると隣で食べていた子がすかさず「 変なところに入っちゃうよ」と言った。すると寝そべっていた子が「まだ飲み込んでない」と言った!(笑)。すると少し遠くに座っていた子が「お行儀悪い」と言った。私は「え! お行儀悪いの!」と言う。しかしわざと「でもお行 儀 悪くてもいいんじゃない」と言ってみた。するとその子はこう言った。「だめ、お行儀悪い大 人になっちゃうよ」。私は「え!お行儀悪い大人になっちゃうんだ!」とわざと驚いてみせる。すると今 度は更に遠くに座っていた子が(みんながその会話を聞いているということだ)「空気が通るところ( 気 管 )に入るよ」と言った。私は「え! 気 管にも入っちゃうんだ! それは大変!」と大げさに言う。そんなやりとりをその子は渋い顔をしてずっと聞いていた。いや、わざとその子に聞こえるように話しているのだ。もう寝そべって食べられる訳がない。 この場合、私が「寝ながら食べてはいけません」と言ってもいい。2 秒で済む。しかし大 人からの言 葉は何 百 回 言っても効果がないのだ。言うのがバカらしくなる。他に保 育 方 法があるに違いないと長年試した結果、子どもから伝えることが一 番効果的だということがわかった。時間はかかるがその指導一回で子どもは変わり、3月にはすごい集団になる。私は「 寝て食べているの?」と問 題 提 起をする。敢えて「 寝て食べてはいけません(指導)」とは言わないようにしている。すると正しい集団の場合、ふさわしい返答がある。要は私が言いたいことを子どもが言ってくれるということだ。「お行儀が悪い」や「変なところに入っちゃう」がその言 葉だ。しかし毎 回 、私の想 像 以 上の答えが 返ってくる。「 気 管に入る」や「お行儀の悪い大人になるよ」という言葉がそれだ。これが想 定 外 。だから子どもはすごいと思う。子どもに任せるというのは、このような場を大人主導ではなく進めるということで、それはある意味難しい。そして石を投げても怒らない、雑巾の不正をスルーする、朝の会で座ってない子を放置する、何でも好き勝手にやらせる、ということとは全く違うのだ。そうでないとこんな群れはできないと思う。待つのか、待ってはいけないのか 。大 人(私も)は善悪の判断がついてない人が多いと思う。社会のせいにしてはいけないが 、暗 記 重 視で思 考しない教 育を受けてきたツケが今 来ていると思う。毎日気持ち悪くなる程 考えないと、保育という仕事はできないと思うのだ。ヤマホタルブクロ蛍が舞う初夏に咲く紫色のお花 。釣り鐘 型になっている花の中に蛍を入れると提灯のようになるというところから、この名前がついたとも言われています。一度聞いたら忘れない名前ですよね。「名前を知ることから愛が始まる」とも言われますが、みなさんから愛されているお花のひとつです。標高の低い場所では白い花のホタルブクロを見ることができます。