ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182

母と生き別れになった複雑な子ども時代。ダメな母だったシングルマザー時代。負の連鎖から立ち直れたのは、子どもが全身全霊で愛してくれたから。くれた時は嬉しかったですね。まず、お母さんが笑顔でいてください。私自身、いつも泣いてた母が笑ってくれた瞬間の顔が今も忘れられないんです。完璧な人はいないけど、完璧なチームワークはあると思う。得意ジャンルは違うから、みんなで支え合っていけばいい。一人で背負いこまずに、一緒に育てていきましょう。41いると思います。その後夫の就職で東京に行って自宅で保育ママをやってみたら、これがすごく楽しかった。誰の横やりもなく理想の保育ができる。気づいたら40?50人の子どもが登録してくれていました。宮沢 それが保育園立ち上げにつながるんですか?長野 ええ。本部の保険の賠償内容がおかしいので辞めようと思う、とお母さんたちに相談したら「お金を出すから保育所を立ち上げて!」と。運良く施設も保険も見つかり、いきなり在籍児100人からスタートしました。宮沢 それはすごいですね!長野 でも今度は国の制度が変わって、その建物では継続できなくなったんです。するとまた「お金を出すから施設を作って!」と。一人で1000万円出してくださった方もいました。それが大田区の「森の保育園」です。宮沢 そこからさらに、鹿児島にフリースクールの小学校を立ち上げたのは、どうしてなんですか?長野 長女の小学校が学級崩壊状態で、PTA会長だった私は子どもたちに「この学校から暴言・暴力をなくす」と約束していたんです。が、結局不登校になった娘を転校させてしまった。そうしたら子どもたちがやって来て、「おばちゃん、僕たちのこと見捨てたの?」って・・・。今、日本中にそんな子がいる。それでなるべく安いフリースクールを作ろうと決意したんです。鹿児島に家賃タダの古い校舎があってそれを借りました。ADHDやアスペルガー症候群と言われるような子も食事を含めてケアをして、何十人と不登校を改善したことは私の誇りです。諸事情によりやむなく撤退しましたが、支えて下さった地域の方々には本当に感謝しています。お母さんがまず、笑顔でいて宮沢 その思いを継いでいるのが忍野の美徳社なんですね。長野 そうです。「大きな学校で大変だったんなら、ペンションの建物はどう? 山梨においでよ」と言ってくれる人がいて。私は情緒障害や不登校の問題は、食や生活習慣など複合的に解決しないといけないと思っています。山梨でよかったのは、首都圏からのアクセスがよく親子合宿ができること。家の食事がダメだと元に戻ってしまう子も多いですし、子どもが成長して自分の哲学が芽生えると、親子でギャップが出てくるんです。親子合宿はそれを埋めるのにもちょうどいい。今後さらに情緒障害と言われる子どものための短期施設も作って、もっとたくさんの子をよい状態に導きたいんです。宮沢 お互い、教育の課題を考えると、ほんとにやりたいことが尽きないですよね。最後に、子育て中のお母さんへのメッセージをお願いできますか?長野 そうですねえ。「あるがままのあなたを支えます。家が散らかってても料理ができなくても大丈夫。そのために私がいます」ってことかな。私自身がね、かつてはほんとにダメな母親だったんですよ。最初の夫と離婚してシングルマザーになり、貧困・アル中・ヘビースモーカー・リストカット…どんな相談を持って来られても、ほとんど私もやったことですから驚きません(笑)。誰でも変われます。だって私でも変われたんだから。宮沢 長野さんが負のスパイラルを断ち切れたのはなぜだと思いますか?長野 何百何千もの人に助けられたことや栄養治療など色々ありますが、一番は娘の力ですかね。幼い娘が、「お母さんは傷ついてお酒を飲んでいるけど、私はお母さんが大好きだよ。お母さん、かっこいいよ」って、全身全霊で愛してくれた。この子のために命がけでまともにならなければ地獄に落ちるな、と。長女は20歳ぐらいで離れていった時期もありますが、同じ保育者になって「お母さん、いい保育してる。プロフェッショナルだ」と言って