ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182
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ちびっこぷれす Chibikko press 2014年7月号 NO.182
4神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)待ってはいけないこと第16回 先日びっくりしたことがあった。他県の方から「ある園で子どもがケンカをして石を投げ相手に当たった。しかし目の前で見ていた保育者が何も言わなかった。見守るってこういうことですか」と聞かれたのだ。私はびっくりしすぎた。ピッコロでは人に石を投げたら死ぬ程怒られる。道路に飛び出す、棒を顔に向けるも同様だ。それは見守る見守らないという範疇ではない。命に関わることだ。もし石で失明でもしたら、双方一生不幸になる。取り返しがつかないのだ。待たないと育たないこともあれば、絶対に待ってはいけないこともあると思う。 ある日、室内で子どもの水筒の水がこぼれた。するとすかさず数名が雑巾でふき始めた。どの子もふきたくて仕方ないのだ。しかし雑巾が数枚しかなかったので、ふけない子もいた。するとふけなかった年長児が、ふいている年少児から突然雑巾を取り上げてふき始めた。見ていた私はこの場をスルーする訳にはいかない。「あれ、今、年少さんが先にふいていたよね」と口を挟んだ。怒る必要はない。すると次の瞬間、年長児がサッと雑巾を年少児に返してどこかへ行った。後から年長児を呼んで怒ることもしなかった。充分こたえた顔をしていたからだ。年長児、年少児ともこの一瞬で何を学んだのだろう。事の善悪は日常のこんなこと