ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年6月号 NO.181

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年6月号 NO.181

4 私が森のようちえんピッコロを始めようと思ったきっかけがある。多摩市の幼稚園に勤務時代、年少児に絵本を読んだ。その中にライオンがヌーを食べるというシーンがあった。読み終わると子どもたちは「あ~ぁ、ヌーさんかわいそう」と言った。しかし私は食物連鎖のことを伝えたいと思い「みんなもトリさんやお魚さんを食べているでしょ」と言った。すると一人の男の子がスクッと立ってこう言ったのだ。「僕はスーパーでお母さんが白いお皿にのったお魚を買ってくるので殺してない!」と。見るとクラス全員の子が同じ顔をして私をにらんでいてびっくりした。そしてその時まずいと思った。彼らにそう言わせているのは、その環境を作っている私たち大人だ。命と生活が離れ神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。www.mori-piccolo.jpTEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)白いお皿第15回すぎている。実際には私も街の生活をしていたので、彼らと変わらなかった。森で保育をしているのは、命と生活をつなげたいと思ったからだ。森の木の命をいただき、それで火をおこしてみそ汁を作る。木の命が自分の血となり肉となる。そんな経験をしてほしかった。それをプログラムではなく、日常でやりたかったのだ。だから森のようちえんピッコロがある。 話は変わるが、ゴールデンウイークにすごいことがあった。なんと20年ぶりに教え子(男子)がピッコロに遊びに来てくれたのだ。その子のお母さんとはずっと年賀状のつきあいをしていた。社会人の息子が3日間帰省し、そのうちの一日を私のために使ってくれた。ありがたすぎる。20年ぶりの彼に会うのは、ものすごくド