ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年6月号 NO.181

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ちびっこぷれす Chibikko press 2014年6月号 NO.181

34小児科Dr. 宮本の連載コラム午後10 時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や休日の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業。2009 年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.110 ぜんそくをよく知ろう! 一年で最も気持ちのいい季節になりました。青空を見ていると心にゆとりが生まれてきます。先月、あるショッピングセンターで私(45 歳)が愛娘(1 歳)を抱きながら歩いていたところ、高齢の男性から「失礼ですが、お孫さんですか?」と聞かれてしまいました。「自分の子どもです」と素直に答えました。がっかり…。気になったとしても言わないでください。 先月行われたアレルギー学会に出席し勉強してきましたので、最新のアレルギー事情についてお話します。今月はまず「ぜんそく」についてです。ぜんそくの今昔 「ぜんそく」とは息を吐く時にヒューヒュー、ゼーゼーという笛の鳴るような音(喘鳴)がして、呼吸が発作的に苦しくなる病気です。私が医師になりたての20 年前には、現在の治療の根幹をなす吸入ステロイドは乳幼児に適用することができませんでした。発作は夜起きやすいこともあり、病院で勤務していた頃は呼び出され対応に追われた日々が多々ありました。発作による入院や救急受診が多かったのです。最近ではガイドラインの普及や、吸入ステロイドなどの薬が乳幼児でも使用できるようになったおかげで、ぜんそくの病態である「慢性の気道炎症」が治まり、発作が減り、生活・人生の質(QOL)が向上するようになりました。コントロールをよくするためには ぜんそくは長期管理が必要な病気で毎日薬を使用するため、患者さんが自ら治療に参加し、積極的に治していこうとする気持ちを持つことが大切です。また、慢性的に気道の炎症が起きているので、発作がない時でもお薬を使うことが大切です。 発作が起こり気道が傷つくと、傷ついた気道の組織は元に戻ろうとする時に正常な状態に戻るわけではなく、傷を残したままで治っていきます。皮膚の傷口が治っていく時にその部分だけが硬くなったりしますが、同じようなことが気道の中でも起きています。なるべく発作を起こさないようにコントロールすると気道が傷まず、次の発作を抑えることができます。 発作が起こった時の原因がわかると発作を抑えることにつながります。布団の上で遊んだ時、花火やたばこの煙を吸い込んだ時、猫とふれ合った時、疲れたりした時などの場合は、そのきっかけに気をつければ防げるかもしれません。運動をして発作が起こることがありますが、この場合、運動をしないようにすることはお勧めできません。子どもが体を動かすことは成長する上で大切なことですので、運動して発作が出る場合は治療薬を見直すことが必要です。 治療の目標は「日常生活が支障なくすごせる」ことです。スポーツを含めて昼夜を通じて症状がなく、β 2 刺激薬の頓用がない状態が続くことが大切です。夜の咳がないかと気にしがちですが、昼間の咳の様子も注意してください。海外の報告から 最近、海外で吸入ステロイドの副作用によって子どもの身長の伸びが抑えられる可能性があると報告がありました。5~ 13 歳の小児で吸入ステロイドを4~6年間使用した場合、コントロール群と比べて最終身長が平均1.2cm 低かったという結果です。この報告が出たことで吸入ステロイドは使用しないということではなく、副作用もわかって対応してもらえれば幸いです。恐がって使用しないことは発作が増えるため、生活・人生の質(QOL)が低下します。一方で漫然と使用し続けることも得策ではありません。吸入ステロイドはぜんそくにとっては欠かせない薬であるため、かかりつけ医とよく話をしながら、病状や薬とうまくつきあっていくことをお勧めします。うちの夫婦げんか対処法 うちの夫婦はそろそろ20 年を無事経過しようとしています。夫婦げんかは時折してしまいますが、昔に比べると減ってきてはいます。原因は些細なことです。仲直りの方法は、どちらがいけないのかははっきりしませんが、私が「ごめんね」と謝って終わります。好きで結婚したわけですから、長引かせない方がいいと思います。子どもは巣立ちます。残された時間を夫婦で楽しめるような関係を築いておきましょう。参考文献:日本小児アレルギー学会=監修「家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2012 年改訂版」(協和企画2008 年)濱崎雄平ほか=監修、日本小児アレルギー学会=作成「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012」(協和企画2011 年)