ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年5月号 NO.180

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年5月号 NO.180

4 3月に年長児が卒園してしまった。新学期が始まり、どこかもの足りない。まだ淋しいのだ。ピッコロでの3年間は非常に濃い。同志をなくした気分だ。 6回目の卒園式、今年の卒園児は例年と比べてどこか頼りない印象だった。リーダーがいないということは、何をやるにもスタートが遅く、時間がかかるということだ。だからといって、ピッコロでは大人が指示することはない。なので夏のお泊り保育では1時間も火がおこせず、本気で夕食抜きになるかと思った。その子どもたちの卒園式。私はやはりどこか不安だった。信じてはいるのだが、卒園証書はきちんともらえるのか、歩くべきところを歩けるのか。リハーサルをやっても不安が残っていた。しかし当日、それが忘れられ神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。www.mori-piccolo.jpTEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)巣立ちの言葉第14回ないものすごい卒園式になったのだ。何がすごかったかというと、巣立ちの言葉がものすごかった。ピッコロでは余計な指示をしない保育をしているので「卒園式で巣立ちの言葉を話す」ということをどう伝えようかと私は迷っていた。そしてこう言った。「みんなは卒園するでしょ。だからピッコロに残るお友だちや大人に言うことがあったら、それをマイクで言ってみてくれる。その時の気持ちでもいいし」と、ものすごくシンプルに伝えた。私はいつもわざと説明の言葉を短くしている。その方が子どもの頭が回ると思うからだ。彼らはこの私の言葉だけで「巣立ちの言葉」が何たるかを理解した。そして私は一つだけ注文したのだ。「なるべく長く話してみて」と。前日のリハーサルで、年長児は自分の言