ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年4月号 NO.179

ページ
47/52

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2014年4月号 NO.179 の電子ブックに掲載されている47ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年4月号 NO.179

47野菜栽培と子育ては似ています。過保護にせずに自由にやらせてやれば、環境に馴染むように育ってきます。持っている力を信じて自由にさせてやったら、肥料、農薬、水やりなしでも野菜は育つんです。親って子どもの色んなところが気になってしまいますよね。寝るのが遅いとか宿題をやらないとか、栄養が足りていないんじゃないかとか。でもそんな過保護に考える必要はありません。子どもは眠くなったら寝るし、勉強をしたくなったらするようになるんですから。※電子書籍版のメイン写真をタップすると、インタビュー時の動画を見ることができます。て何かがおかしいよな、と思ったので、上司にそれをどう考えているか聞いたんです。すると「しょうがないよ」という一言で終わっちゃったんですね。衝撃的でした。この難しい問題にサラリと答えてしまったんですね。僕は、自分がそうなったら寂しいなという気持ちになりました。入社前は、会社に入ったら5年くらいで辞めて、世界を放浪して牧場なんかをやろうと考えていたんですが、とてもそんなことを考えるヒマはない。人生のための仕事ではなくて、仕事のための人生になっているぞと気づいて、会社を辞めました。宮沢 どうして農場を始めることにしたんですか?室田 子どもの頃から自然は好きで、自然に囲まれて暮らしたいとはずっと考えていました。農業という選択肢はまるっきり考えていなかったのですが、ある時、突然閃いて。それで、どういう所で暮らしたら面白いかなと考えながらgoogle mapを見て、あ、ココだな、山梨県北杜市か(笑)。こちらに来て、市に畑の候補地を見せてもらいました。まずは平らな畑。次に連れていかれたのは“森”。僕は「畑に種をまいて野菜ができました」よりも、「森が畑になりました」の方が面白くねぇか!?と思ったので、即答でここにします、と。市の人はびっくりしていましたね。僕は農業なんかまるっきりやったことないので、野菜を育てられるかもわからない。周りの農家さんは、堆肥を入れないとこの辺ではできないよって教えてくれるんですけど、水も肥料も農薬もやらないで野菜ができるのか、ただやってみたかったんです。そしたら小松菜とかターツァイとかができちゃったんです。すると、それまではそんなの無理だって言い張っていた人が「ヤス君、これってどうやるの?」って。僕が実際にやって見せることで、「自然のままでは野菜は育たない」という彼の“常識の壁”を超えられたんですね。あ、僕が農園をやるのは、こういう意味があるんだな、と気づきました。宮沢 野菜を売って生計を立てるというのではないんですよね。室田 お金儲けは全然考えていないです。僕は、仕事っていうのは人を喜ばすことだと考えていますから、対価はお金である必要はないんです。みんなが僕の農園に来て、作業をして、野菜を持っていって、楽しんだり心が軽くなる方向に行ってもらえれば面白いなと思います。みんなに喜んでもらっているんだから、自分が生かされないわけがないって考えています。持っている力を信じて自由に宮沢 最後に、すべての子育て世代にむけて、エールをお願いします。室田 子どもを信じて、自由にやらせてやってください。でも、言いたいことを我慢して自由にさせてやるってのは違います。例えば子どもが宿題をやらないで内心イライラしているのに、作り笑顔で「やらないでいいのよ」と言うのと、やらないでもいいけど、やるとこんないいことがあるって教えるのは全然意味が違います。僕は農園を始めてから、野菜栽培と子育ては同じようなところがあるなぁと思うようになりました。ちゃんと水や肥料をあげないと、野菜はしっかり育たないというのが常識ですよね。“普通”のカブは丸いカタチをしているけど、ウチの農園で育ったのは、根っこの部分が縦にすごく長いんですよ。水をやらないから水を求めて成長していくんですね。すると、しばらく雨が降らなくても生きていられるようになります。ニンジンは、数千粒の種をまいて育ったのは1本だけでした。それって普通なら“失敗”でしかないですよね。でも、次の年にその1本からとった種をまくと、パパパパっとたくさんの子どもが育ったんですよ。宮沢 それはびっくりでしたね!室田 過保護にしないで植物が本来