ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年4月号 NO.179
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ちびっこぷれす Chibikko press 2014年4月号 NO.179
4 今日はやえちゃんの誕生日。その日1日がやえちゃん一色に染まる日だ。やえちゃんが行く場所を決め、先頭を歩く。午後の誕生会には各自がやえちゃんへのプレゼント(折り紙や手紙)を持って参加する。朝の会ではやえちゃんの好きなところをみんなが発表する。年長児は全員、年中・年少児は希望制にしている。希望制ということは、発表したい人だけが発表するということだ。発表しなくてもいいのに発表する。私はここが大事なのではないかと思っている。言うか言わないかを自分で決めるということは、自分のボタンを大人が押さずに自分で押すということだ。言わない選択肢があるということはたやすいようで実はとても厳しい神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。www.mori-piccolo.jpTEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)認める第13回ことなのかもしれない。子どもたちが次々発表した。「やえちゃんが家族ごっこしているところが好き」。「やえちゃんが笑っているところ」。「やえちゃんの全部が好き」。優しさに包まれる瞬間だった。 私は前日、卒園児の引き継ぎで小学校へ行った。「入学までにこれをしておいてください」というリストをいただいたので、それを子どもたちに読んでみた。項目の1つに「はい、いいえが言えるように」というものがあった。私が卒園児に向かって「大丈夫かな」と言うと、誰かが言った。「R君(年中児)が危ない」。確かにR君は尋ねても意思表示がない時がある。卒園児ではなかったが、保育のチャンスなので話を進めた。