ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年3月号 NO.178

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年3月号 NO.178

4 森からピッコロへ帰る時、一人ずつ歩いて下る日がある。子どもにとって森を単独で歩くということは、結構冒険だと思う。少し高めのハードルを越える時、心が育つと思うからだ。私が指さしながら「だ・れ・に・し・よ・う・か・な、Aちゃん!」と言うと、Aちゃんが走り出す。時間差で次の子が出発するのだ。ある時私はこんなことを言ってみた。「だ・れ・に・し・よ・う・か・な、かわいい子!」。すると女子のほとんどが走り出した。へ~、女子って自分で自分のことをかわいいと思っているのだ! 大人爆笑。またある時はこんなことを言ってみた。「だ・れ・に・し・よ・う・か・な、悪い子!」。え、悪い子ですよ。誰も走り出さないと思っていた。すると年長児男子を筆頭に、悪そうな男子(ってなに?)が数名走り出したのだ。えー! しかも顔がニヤけている。得意げな子もいた。この子たち自分が悪い子だと思っている。びっくりした! そして少し笑ってしまった。そのメンバーがいかにもという顔ぶれだったから。子どもは自分のことを案外わかっているのだ。しかしまさか“悪い子”で走り始めるとは。私は意表をつかれてしまった。普通みんなの前で、自分は悪い子とはなかなか言えないと思う。言った瞬間に怒られそ神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)悪い子第12回