ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

5どんな話の展開になるのか全くわからない。すると新太君(年長児)が言ったのだ。「いい戦争と悪い戦争がある」。(げっ、なにそれ?)私「い、いい戦 争ってどういうの?」。するとこう言ったのだ。「やさしいこと、言葉で話したり」…。トリハダが立った。子どもは言っているのだ。まずは外 交をしっかりやる。戦争にならないように話し合うということだ。泣きそうになった。そうだよね。人間いざこざはいつの世にも起こり得る。そこですぐに戦争ではなく、話し合うこと。これは毎日ピッコロっ子がやっていることでもある。社会の縮図がここにあった。するとまた新太君が言った。「やめろ!って言うとしつこくて撃つことがある」。子どもの発言の理解は非常に難しい。この場合、「やめろ!」と攻撃的に何度も言うと、憤って撃ってしまう時があるということだと私は理解した。 では次に私は何と言えばいいのだろう。ここが保育の難しいところでもある。子どもたちには何かトラブルが起きたら、それを自分で解決できる人になってほしいと常々思っている。しつこく「やめろ」と言われて撃ってしまうことがないようにするにはどうしたらいいのか、そこを子どもたちと考えたいと一瞬で思った。新太君「『やめろ!』って言うとしつこくて撃つことがある」。私「じゃ、やめてほしい時は?」。そちらの方向へ話を持っていった。そしてこの言葉には解決能力が養われてほしいという私の想い(祈り)が込められているのだ。すると広大君がすぐ言った「『やめて』ってやさしく言う。『やめろ!』は爆弾」。攻撃的な態度ではなく、友好的に接した方がいいということだ。なるほど。すると新太君がまた言った「『やめて』ってやさしく言ったら来ないよ」。やさしさが平和を保つと私には聞こえた。そしてこの子は世間を信じて生きているとも思った。今までやさしく接したらけんかにならなかったことが、きっと何度もあったのだろう。だから彼は「やめろ!」ではなく、敢えて「やめて」と言っている。そして相手がやめてくれる。その小さな積み重ねがこの言葉になっている。幼児期、自分の周りの世界を信じて生きた経験は、将来どこに役立つのだろう。ハッキリとはわからないが、それはとても大事なことのように思える。何かを信じて生きていけるということは、強さでもあり太さでもある。それがやさしいということだ。すると大輔君(年長児)が「ねーみんな、爆弾来たらよけようよ」と、よける真似をした。一同大爆笑。そして最後に誰かがつぶやいた。「戦争はいけない」と。それに続いて誰かも言った。「戦争は絶対にいけない」。私は「そうだね。絶対にいけないね」と言いながら、その言葉が震えてしまった。こんな小さな子どもたちが言っているのだ。戦争はいけないと。 過日、特定秘密保護法が成立してしまった。大人のみなさま(私も)大丈夫ですか。平和な世の中を子どもたちに残そうとしてますか。 平和というのはそんなに簡単に手に入るものではない。「あの時、中島は何をしてたの?」と、いつかピッコロっ子に責められないように、今の私には何ができるのだろうか。雪の結晶雪の結 晶って、肉 眼でも 見ることができるんですよ。目を 凝らしてよーく 見ると 、すべての結 晶が違う形をしていて、さらにすべての結 晶が六角 形を基 本としています 。その美しさにうっとり。水 分 子( H 2 O )の結 合の影響で六 角 形になるのです 。黒いフリースやフェルトの上に降って来た雪を受け止めると、観察がしやすいですよ。