ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176
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ちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176
4 野外の保育が寒くなってきた。ピッコロでは火をおこし、その周りに椅子で座って暖を取りながら朝の会をやる。ちょうどこの時期から、ものすごい集団になってくる。いい季節が今年もやってきたのだ。 いつものように朝の会、子どもたちからのニュースを聞いた。一区切りつき、さぁ森へと思っていたら広大君(年中児)が言ったのだ。「あのさ、外国の人が爆弾落としてたくさん死んだんだよね」。げっ、これ長崎の原爆のことだわ。私はぎょっとした。広大君は最近旅行に行き、長崎原爆資料館を見学していた。しかしどうしてこのタイミング? こちらの覚悟が全くできていない。保育ではこんなに重い話が突如として降ってくる。そしてこの話題、流そうと思えばいくらでも流せるのだ。彼の発言を取り上げなければいいだけだ。しかしそうはいかない。こんな大事なことを流す私を見て、子どもたちは思うに違いない。「このことはそんなに大事なことではないのだ」と。だから流せない。しかしこの件に関して、私の中である程度大人としての知識や考えがまとまっていないと、どうしても避けたくなる。大人の真価が問われるということはこういうことだ。私は言った。「そうだね。たくさんの人が死んじゃったよね」。かなりドキドキした。特に幼児の場合、神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。 www.mori-piccolo.jp/TEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)爆弾談義第10回