ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

39「好きなことをやりなさい」と子どもに言ってあげて。それを仕事にしてギリギリのお金が入れば、そんな幸せなことはないよ。念ながらお金。でもね、好きなことをやって自分に必要なギリギリのお金が入れば、そんな幸せなことはないよって思うんです。※電子書籍版のメイン写真をタップすると、インタビュー時の動画を見ることができます。名古屋のデパートから声をかけてもらいました。それからですね、日本中で作品展をやるようになったのは。宮沢 それじゃそれなりの収入も。蒲澤 それはありましたけど、売れるのも大変なんですよ。50点作って、それを何回かの個展で売るつもりだったのに、初回で全部売れてしまって。宮沢 え~、すご~い!!蒲澤 売れながら、冷や汗タラ~でした。ボクは作品を作るのにものすごく時間がかかるから、年間6回も個展があると、もう大変。宮沢 蒲澤さんの作品はどうやって生まれてくるんですか?蒲澤 石には石理といって、ある方向に割れやすい部分があるんです。自分がある形に削りたくても、ノミを入れると石理に従ってポロッといっていまうので、自分の意図した通りの形にはならないんです。そうやって石ころと折り合いをつけながら彫っていくと、石ころの中にあった作品が現れてくる。ボクはそれを「神様との共同作業」と呼んでいます。「神様」という言葉は適当じゃないかもしれないけど、作品を作る時は何か大きな存在の意思をいつも感じています。そして作品づくりをしていると、それと同化できる時があるんですよ。宮沢 「大きな存在」と同化、ですか?蒲澤 そう感じることが頻繁にありますね。感情が昂ぶって鼻歌は出るし、恍惚感もあるのかな。ボクはそのつもりはないけど、ものすごく楽しそうだってヨメさんは言うの。好きだから宮沢 プロの方にこう言ってはおかしいですけど、作品づくりが本当にお好きなんですね。蒲澤 それはそうですよ(笑)。好きだから24時間、普段の生活の中でも作品のことを考えています。それがプロとアマチュアの違いです。宮沢 蒲澤さんにとって、一番大事なものって何ですか?蒲澤 今は家族ですよね。宮沢 「アートのために家族なんか」っていう感じではないんですね。蒲澤 それはもうやりました(笑)。己はこんなもんだろうというのは分かってきましたのでね。今は作品づくりよりも、才能のある子を見つけて、その子を伸ばしたいな、というのがあります。これは有名な話ですけどピカソや山下清さんとか、世界的な芸術家には何らかの発達障害を持っている例が少なくないんですよ。もしかしたら、私たちの周りに素晴らしいアートの才能を持つ障害者がいるかもしれない。なにも「画家になる」という目的を定めなくても、精神的に少し解放されていない人が芸術に出会うことで、殻を破れたりすることがあるんです。でもそんな人たちがアートを楽しめる環境は、なかなかないですね。画材も道具も揃っていて、「描きたいな」「創りたいな」と思った時にすぐ始められる場所を作りたいと思っています。宮沢 老若男女、健常障害かかわらず、自由に制作できる所があったら素晴らしいですね。最後に、全ての子育てに関わる人へのエールをいただきたいです。蒲澤 「何でも好きなことをやりなさい」と子どもに言ってやってほしいですね。本来、仕事なんて楽しくなきゃいけないんですよ。楽しい、好きなことを突きつめて仕事にするのが、一番の幸せじゃないですか?ってボクは思います。今の世の中、好きじゃないことを仕事にしている人が多いから、自分だけ好きなことをしていると後ろ指さされるんですよ。全員が好きなことを仕事にしていれば、会社での人間関係とかのトラブルなんて本来起こらないし、気にならないはずじゃないですか。ボクは好きなように生きたつもりだったけど、その中でたくさん制約もあったし、曲げなきゃいけないこともありました。その原因は、とっても残