ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2014年1月号 NO.176

12雨宮 小学校の図書館に司書として勤めていた頃、やなせさんの『チリンのすず』に出会ったんです。まだ大学を出たばかりの私は、絵本って子どもの本だと思っていたんですけど、大人を感動させる力があることにショックを受けました。それがやなせたかしという作家との出会い。編集部 その後、雨宮さんは石和図書館の司書になって、やなせさんを講演会に呼ぶんですよね。雨宮 1997年でした。ある時、思いきってやなせスタジオに電話したんです。そしたら偶然、やなせさん本人が出たの!でも「ボクはそういうのはやらないんだよね」って、あっさり断られたんです。編 それをどうやって口説いたの?雨宮 私は憧れのやなせさんとおしゃべりできただけで嬉しくて、アンパンマンも好きだけど、『チリンのすず』が大好きでというようなことを夢中でしゃべったんだと思うんですが…。そのうちやなせさんが、「君、雨宮っていうの?山梨のどこ?」って聞いてくるんです。ちょうどその頃、やなせさんの元に笛吹市出身のアシスタントが入ってきて、彼女の名字も雨宮だって言うんです。幻のアンパンマンミュージアム編 すごい偶然ですね!雨宮 それで話が盛り上がって、急に「いアンパンマンは子どもたちの心の中に…雨宮真由美さんが語るやなせさんとの思い出いよ。行くよ」って。結局、その時は講演会だけでなく原画展もやってくださった。しかも搬入・搬出のお金を見てくれれば、原画展はノーギャラでいいよと。編 やなせさんってどんな人柄ですか?雨宮 繊細で、一見気難しそう。でもいつも人を喜ばせようと思っている。そんな人だと感じました。面白かったのは講演会の当日、やなせさんは私たちスタッフにも内緒のサプライズを考えていて、自分の衣装に電飾をチャカチャカ付け、新作のアンパンマンの着ぐるみを伴って登場してくれたんです。おちゃめでサービス精神の旺盛な方でした。編 次の年には、コンサートもしたんでノーギャラで原画展やコンサートを開催、幻のアンパンマンミュージアム計画、たくさんの“後継者”たちとの交流…。元・笛吹市石和図書館司書の雨宮真由美さんが、2013年10月にこの世を去ったやなせたかしさんとの思い出を語ります。“愛と勇気だけがともだちさ”と歌った不世出の絵本作家へのリスペクトを込めて…。