ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年12月号 NO.175

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ちびっこぷれす Chibikko press 2013年12月号 NO.175

4 先日各駅停車で東京へ行った。空いていたので4人用のボックス席に一人で座っていた。すると途中から20代くらいの女性が乗ってきて私の前に座った。私は読書をしていた。するとその女性がおもむろに化粧道具を出して化粧を始めたのだ。話には聞いていたが面食らった。「大人としてこの場は何か言うべきなのか」。「知らん顔をする方がいいのか」。「へ~、マスカラってそうやるんだ!」。気になってもう読書どころではない。大人としての立ち位置を考え続けていたら、その女性が電車を降りた。正直ホッとした。確かにその行為は静かだし迷惑ではないようにも思える。しかし私の貴重な読書の時間は奪われた。勝手に私がドキドキしたから悪いのか、いやそう簡単な問題でもないような気がした。神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。www.mori-piccolo.jpTEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)静かな観察者第9回 それで翌日、ピッコロっ子にこの話をした。子どもは社会をどう見ているのかを知りたかったからだ。一連の話を年長組女子にしたら、すかさず返答があった。ゆいさん「だめだと思う」。さきさんも「だめだと思う」。はなさん「その人はいいと思うけど、恥ずかしいと思う」。本人はいいと思っているが、はなちゃんは恥ずかしいと思うということだ。きーちゃんはこう言った。「“トイレや家”と“電車”は違う」。これはトイレと家では化粧はしてよいということで、プライベートと公共の場の区別がついているということだ。これらの言葉が考え込むことでもなく普通に出てくるのだ。すごいことだと思った。すると女子が話し始めたのだ。「どうして臭いのに化粧ってするんだろうね!」。「かわいくなりたいんじゃな~い!」。よくわかって