ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年12月号 NO.175

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2013年12月号 NO.175

13から「おいしいね」「がんばったね」「ありがとうね」って言えるんです。子どもが大人から心底「ありがとう」って言われる経験ってなかなかありませんよね。そんな小さなドラマが、キッズキッチンにはたくさんあるんですよ。編 普段の接し方にも反映できるといいですね。荒井 そうあってほしいですね。少なくともキッズキッチンの中では、親はだんだんと子どもを信頼できるようになるし、子どもは自信に満ちた表情をするようになってどんどんチャレンジするようになるのを感じています。遊びでも勉強でもない時間編 親御さんの反応は?荒井 「お家でさせてあげられないことができてよかった」というのが多いです。私も母親だからわかるのですが、子どもはお手伝いしたがる生きものなんですね。編 子どもたちへの接し方で心がけていることは?荒井 “間違ってもOK”“間違っても恥ずかしくない”という雰囲気を作るようにしています。「この粉は何?」と聞いて、「小麦粉」と正解が出てもどんどん聞いていく。するとみんなどんどん間違った答えを出すでしょ。そういう雰囲気の中で、コミュニケーションをとることを学んでほしいと思っています。親子の小さなドラマがたくさん編 キッズキッチンでは、親は手出しも口出しもNGなんですよね。荒井 はい。例えば、ニンジンをうまく切れない子がいたとしますよね。その子は大人が我慢して見ていれば、多分そのうちにうまく切れる角度や力の入れ方を発見するんです。それをハラハラしながらも待ってあげれば、子どもは最初できなかったことが“自分だけで”できるようになる喜びを体験することができます。編 親もそのハラハラを乗り越えなくてはなりませんね。荒井 だんだんそれができるようになってきます。そして最後に料理を食べる時、子どもたちのその小さな発見やがんばりを親御さんは見てわかっているので、心でも1日は24時間と決まっているので、なかなかさせてあげられない。編 子どもたちの反応はどうでしょう?荒井 すごーく楽しんでます。帰りの車中であーだったこーだったと実況中継みたいにして、帰ってからは今度はパパにキッズキッチンの話を延々している。そんな話をよく聞きます。あとは「疲れたー」という感想も。火や刃物を扱うので、かなり集中力を働かせなくてはならない。彼らにとっては遊びでも勉強でもない、だけど楽しい時間なのでしょうね。編 荒井さんがキッズキッチンを通して、子どもたちに伝えたいことは?荒井 食べることは楽しい、お友だちと協力することは楽しい、誰かを思って料理することは楽しい、その料理を人に食べてもらって「おいしかったよ、ありがとうね」と言葉をかけてもらうことは楽しい。そんなことを伝えていきたい。そうすればきっと、“食育”とか“しつけ”なんてしなくても、自然と命の尊さもわかってくるし、好き嫌いもなくなってくると思うんです。そして子どもたちには、おいしく食べて、心も体も健康になって、よく遊んでよく学んで、“生きてることが楽しい”と思えるように育ってほしい。そう思いながらこの活動を続けています。荒井舞さんとキッズキッチンキッズキッチン協会認定インストラクターの荒井舞さんが主催する「キッズキッチン山梨」は不定期開催。募集はフェイスブック・ブログ等で行われます。対象は3?10歳の料理に興味のある子ども。岩野精肉店主催で荒井さんが講師を務める「いわのキッズキッチン」は、毎月1回ペースで開催。