ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年9月号 NO.172

ページ
5/56

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2013年9月号 NO.172 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2013年9月号 NO.172

5 そしてその時 思ったのだ。「これってピッコロっ子じゃん!」。服が濡れて泣いていた子が泣かなくなる。転ぶ。「そこ泣くとこでしょ」と思う場 面で、笑って起き上がるようになる。慣れたという言葉ではあまりにも安 易すぎると思っていた。もしかして子どもたちはこれをしていたのか。生まれて3年 間しか生きていない子どもたちが、周りの環境をすべて受け入れていた。ピッコロっ子の芯の強さは、もしかしたらここから来ているのかもしれない。間違いなくピッコロっ子は卒園するまでに、何に対してもへっちゃらな子になる。そして根っこが太くなったと感じて送り出す。受け入れると強くなる。いや、強いから受け入れられる。よくわからないが、初めて彼らのことが理解できたような気がした。プチ感動。そして今さら大人の私が、ピッコロっ子を体感することになるとは! 全く予期せぬ出来事に、これだから旅は面白いと妙に納得した。そして私は、これが自分の言葉になっていく。本や人から聞いた話とは違う、体験を伴った自分の言葉。更に言うと、少しだけ私も強くなったような気がした。夫からは「もうこれ以上強くならなくていいから」と言われてはいるが…(汗)。  以 前 、転んだ男 子がひざをすりむいた。その子はとても痛かったのだろう。泣きべそをかきながら年長女子に聞いた。「○○ちゃん、痛い時はどうすればいいの?」。その子は少しお姉さんっぽかった。自然のこともよく知っている子だった。「この草をつけておけば治る」とか「なめておけば大丈夫」と言いそうな子だった。すると彼女は言ったのだ。「そういう時は笑えばいいの」。え…?この子こんなこと考えてるの。言葉が出なかった。必死に生きている。そしてこの時 、私にはこの好きな言葉が思い浮かんだ。「幸福だから笑うわけではない。笑うから幸福なのだ」(フランス哲学者アラン『幸福論』)。子どもの内面は見えないが 、確実に大人の想像をはるかに超えたことを考えている。哲 学 者だから。そして同 時に「 痛いの痛いの飛んで行け~」と言う私が貧相にも見えた。彼らは強く生きているのだ。エノコログサ夏から秋に変わる頃 、道 沿いなどでよく見かけます。通 称「ネコジャラシ」と呼ばれています。縄文時代から食べられている粟(あわ)の原種と言われています。色んな遊び方がありますが、犬のシッポのような形をした花穂を逆さまにして手に優しく握り、軽くぎゅ、ぎゅっとすると、花穂が下からモゾモゾと上がってきます。まるで生きている毛虫のように手の中から上がってくるので、子どもたちに人気の遊びです。