ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年8月号 NO.171

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ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年8月号 NO.171

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ちびっこぷれす Chibikko press 2013年8月号 NO.171

4 七夕に願いごとを書いた。毎年願いごとというものを伝えるのに苦労する。「宝ものがほしい」「カードがほしい」と、クリスマスと混同するからだ。私は念入りに「昔はね、病院も薬もなかったでしょ。だから子どもたちの健康を祈ったのだって」と説明した。昨年はそれでも「宝物がほしい」という願いが返ってきた(汗)。さて今年は? 期待半分、恐怖半分で聞いてみた。「サッカーが上手になりたい」「頭がよくなりたい」。ほ~、ナイス、伝わった。 年長組の願いごとはすごかった。「みんなが一緒にいられますように」「家族が幸せに暮らせますように」。あまりにも模範的な答えだったので、これ本心?と思った。大人の言葉を意味もわからず使う子にはなってほしくない。一応確認した。「幸せってどんなことだっけ?」。するとこんな答えが返ってきた。さやと君(年長組)「いいことがたくさんあること」。えーー、わかっているのだ。けん君(年長組)「嬉しいことがあること、楽しいこと」。ほ~、わかってる。 最後にこやた君(年長組)がすごいことを言った。「僕のお母さんが僕のこと大好きだとするでしょ、それで僕が嬉しいこと」。げ~、何この表現。子どもは大人を超えている。しかも彼らには迷いがない。今日の朝食何食べてきた?という質問に答えるのと同じように、幸せって?という質問に答えていった。幼児は哲学できるのだ。そして彼らの口からはディズニーランドもお金持ちも出てこなかった。家族が一緒に神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で、“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。コラム/中島久美子写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)願いごと~哲学の時間~第5回