ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年8月号 NO.171

ページ
38/60

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2013年8月号 NO.171 の電子ブックに掲載されている38ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年8月号 NO.171

ブックを読む

Flash版でブックを開く

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2013年8月号 NO.171

38小児科Dr.宮本の連載コラム午後10時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や休日の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業。2009年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.100 今、自分が思っていること ?100回を節目に~ 暑い8月がやって来ました。熱中症に注意しながら楽しい夏にしたいですね。富士山、バンザイ! 日々表情が変わる雄大な富士山が世界文化遺産に登録されました。県民にとって大変嬉しいニュースでした。 一方で8月15日は終戦の日です。約70年前、日本はすべてを失いましたが、現在は世界で第3位の経済大国に至っています。今は携帯電話・車などを持ち、物があふれています。しかし子どもの貧困問題等、声をあげることができない人たちの困窮した生活も現実に存在しています。少子高齢化の問題も避けて通れません。不安な点はありますが、終戦後から立ち直った日本を誇りに思い、これからの時代を前向きに生きていきましょう。今月は100回を節目に今自分が思っていることをお話します。昭和の子育てと平成の子育て 昭和時代は一生懸命に勉強をして、いい会社に入り、最後まで面倒を見てもらう終身雇用という形態でした。私が子どもの時、母は専業主婦で、父は会社人間で朝から晩まで仕事をしていて、会話をしたり遊んだりした記憶はほとんどありません。私は昭和時代の典型的な家庭で育ちました。 昭和時代の右肩上がりの経済成長は終わり、平成になり、経済は停滞し終身雇用が終わりを告げたと言われています。現在は大卒の4分の1が非正規雇用として採用される時代になりました。今の家庭は核家族の共働きで、パパとママが一緒に子育てをする時代です。うちも小さい頃から共働きで一緒に子育てをしてきました。私は仕事だけではなく、子育てを通じて女性の気持ちに気づき、家庭や園、学校で色んな経験をし、幅広い人間に成長してきた感があります。同時に親としても成長してきたと言えます。夫婦で共に子育てをすることで、互いに人として、親として成長することができると思います。 幸せってどんな時に感じますか? お金がたくさんあれば幸せですか? 人間の欲求ってきりがありません。子どもが授かりたくても授かれない夫婦がいる中、子どもを授かったという幸せをまず感じましょう。私は20年近く前、お金がほとんどない中で、アパートの小さな風呂に初めての子どもと一緒に入った時や子どもの寝顔を見ている時になんとも言えない幸せを感じました。私の好きな言葉に「しあわせはいつも自分の心がきめる」(相田みつを作)があり、うちのトイレに貼ってあります。自分の気持ち次第で、幸せになれます親がしっかりと子どもを育てる。親も育つ 子どもは、親を中心にしながらも園や学校での生活を通して、色々なことを学び、大人になっていきます。子どもを育てる責任者は両親であることは言うまでもありません。 子どもに言われるがままゲーム・携帯をさせると、大人と違って子どもは調整できず、1日何時間でもやります。少子化のためきょうだいげんかができず、人間と人間のふれ合う経験が少ない中、園・学校で子ども同士が思いっきり遊ぶことは、人格形成の上でとても大切な経験です。小さい時から「メディア漬け」ですごさないように、親は意識する必要があります。うちは高校生が2人いて、携帯を持たせていません。クラスで持っていない人はいないそうですが、なんとか生活できているようです。 学校では勉強ができるかで子どもを評価しがちですが、社会に出ると通知表の右側にある生活態度がとても大切になってきます。挨拶ができる、遅刻をしない、仲間への思いやりがある等、ここの部分が人間としてとても大切なことだと思います。100回を書き終えて 100回までよく書き続けたというのが正直な感想です。ネタがあまりなくとても困った時期がありましたし、診療しながら書く時間を確保するのにつらい時期もありました。文章を書くのが苦手な自分は、今でも文才のなさに苦しんでいます。飽きっぽい性格の自分が休まず続けてこられたのは、苦言も交えながら文章修正やアドバイスをしてくれた妻、締切ギリギリの原稿をあたたかく待っていてくれた加々美編集長、そして応援メッセージを送ってくれた読者の皆様のお陰です。本当に感謝しています。これからも県内の小児医療について情報発信していきたいと思っていますので、よろしくお願いします