ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年7月号 NO.170

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ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年7月号 NO.170

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ちびっこぷれす Chibikko press 2013年7月号 NO.170

49僕ね、神様だったんですよ。赤ちゃんを抱けば泣き止むし、何で泣いているか全部わかっちゃったんだから。らに八ヶ岳には、豊かな自然があります。自然の中には僕たちを応援してくれる神様がいますから、行けば必ず気持ちが「よしやるぞ」となる。体と心が元気になれますよ。※電子書籍版のメイン写真をタップすると、インタビュー時の動画を見ることができます。多賀 カミさんは大変だったと思うよ。慣れないペンションの仕事をしなくちゃいけないし、初めての子どもはそこにいるし。でもペンションをやってよかったのは、家が仕事場だったから二人で子どもが見られたこと。僕たち夫婦は子どもの「初めて」を全部見られました。初めて寝返りをうった、初めて歩いた。これ以上の喜びは世の中にないですよ。仕事から帰ったダンナに奥さんがそんな「初めて」を伝えても、僕ほど感動できないと思うよ。本当に僕は幸せ。宮沢 子どもも幸せですよね。多賀 自分のところに子どもがいるので、最初から「あかちゃんペンション」としました。普通、ペンションというのは若者むけでしたけど、宮沢 子連れが来てくれた方が楽しいですよね。多賀 そうそう、それが嬉しくてね。近くには公園も小さい子どももいなかったので。おむつ交換をお客さんと順番でやったり、お母さんたちと徹夜で子育て談義をしたり。僕、当時は神様だったんですよ。お母さんが食事をしていると赤ちゃん泣くでしょ? 首が据わっていない子でも片手で抱いてあやせば、なぜかすぐに泣き止みました。あと、この子がどうして泣いているのかがわかるんですよ。オムツなのか、熱があるのか、服の具合が悪いのか。とっても幸せでしたね。そんな感じが7、8年続きました。宮沢 やっぱり、自分の子どもが大きくなってくると勝手が違ってきました?風景は地域の遺伝子だ多賀 子どものことがよくわからなくなってしまうんですね。そんな自分がダメだと思ったので、ペンションを「中高年歓迎」に切り替えました。その頃腰痛が出てしまいました。ペンションの仕事は中腰が多いですから。医者から「あんた、歩かなきゃダメだ」と言われてウォーキングを始めました。すると、地域の色々なことに気づくようになったんです。「あれ?この段差、車椅子はどうするんだろう?」とか。一人で歩いている場合じゃないんじゃないかと思って、地域の人と話をして一緒に地域を歩くことを始めました。それが「八ヶ岳歩こう会」のきっかけです。今、国民文化祭もあってフットパスが広まっていますけど、考えてみればそれ以前からフットパス的な歩き方をしていたんですね。地域を歩くっていうのは、発見の連続です。宮沢 そうですよね。私もフットパスでは毎回新しい発見があります。多賀 何気ない風景の中にも、実はものすごい量と質の情報が入っていることがわかってきました。風景は「地域の遺伝子」なんです。その地域の景色や匂い、食べ物などが五感を通して毎日毎年少しずつ、そこに暮らす人の中に入ってくる。それが僕たちの体や精神を作っていきます。でも現代では地域の風景が大きく変わったり、同一化したりして、日本の地域の多様なアイデンティティがどんどん消えかかっている。でも実は、歩くだけで地域の色々なことに気づけてしまう。説教をしなくても、何が大切なことかを理解できてしまう。フットパスの意義は多分、そういうところにあるんじゃないでしょうか。宮沢 八ヶ岳という地域の魅力は?多賀 自然の豊かさです。季節にマッチした、数えきれないほどコースを開発しました。また、文化や歴史を訪ねるコースも面白いですよ。宮沢 子育て世代にエールを。多賀 ぜひ、八ヶ岳に歩きに来てください。一緒に歩きましょう。子育てに一生懸命だと、ともすれば「感じる」余裕がなくなってしまうんですね。僕たちガイドは、目に見えないものについてもお話しできます。あと、誰かと一緒に歩くと、話すでしょ?笑うでしょ? 有酸素運動になるんです。さ