ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2013年7月号 NO.170

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ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年7月号 NO.170

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ちびっこぷれす Chibikko press 2013年7月号 NO.170

4 ピッコロジュニア(卒園生プログラム)終了後、保護者に報告会をする。室内での話が終わり園庭に出てみると、梅と梅の葉っぱが大量に木の下に落ちていた。小学生が棒で落としたという。しかもそれを砂に混ぜて遊んでいた。この梅は毎年ピッコロっ子が梅ジュースを作る梅だ。みんな楽しみにしていた。「少し取りたかった」。「欠席の姉に持ち帰りたかった」。「誰かに頼まれたから」。理由は様々だ。落としているうちに落とすのが楽しくなったのだろう。私はとても子どもらしいと思った。こんな子どもたちがいい大人になるのではないかとも思った。しかし大量に落としすぎ。そして他人のことを考えられなかった。 私は「みんなでどうするか考えてきて」と言った。ここで私に謝りに来る子がいるかもしれないと思った。しかし私に謝るのは違う。もし謝りに来たら断ろうと思っていたが、ピッコロ小学生は誰一人私のところに来なかった。わかっている証拠だ。嬉しかった。10人程の子どもたちが話し合っている。「また(梅を枝に)つける?」と言う子もいればふざける子もいた。するとしばらくして年長者が来た。今度のピッコロジュニアまでに、お小遣いで梅を少しずつ買ってくると話し合ったらしい。子どもたちだけで考えられたと感心したが、この方法は受け入れられない。何でもお金で解決する子には育ってほしくない。どこかの政治家と同じになってしまう。私はお金はだめだとは言わずに、次回のピッコロジュニアでは間に合わないと伝えた。自分で考えたことを真っ向から否定されると、考える前に大神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で、“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。コラム/中島久美子写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)自分の責任とは第4回