ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年5月号 NO.168

ちびっこぷれす Chibikko press 2013年5月号 NO.168 page 36/52

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36小児科Dr.宮本の連載コラム午後10時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や....

36小児科Dr.宮本の連載コラム午後10時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や休日の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業。2009年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.97 風しん、流行中! 花粉症が終わり、桜が散り、ハナミズキが咲き誇る清々しい季節となりました。新年度を迎え、新しい生活には慣れてきましたか? 焦らずゆっくりと調整しましょう。先月、今年の目標だった南アルプス桃源郷マラソン大会に出場しました。40歳台10kmの部、タイムは51分59秒。楽しく走ろうと思ったのですが、なぜか真剣に走ってしまいました。50分が切れるようにまた挑戦したいと思います。天候もよかったので、体にとてもいい一日となりました。 今月は、ここ最近マスコミでも取り上げられている「風しん」についてお話します。風しんが流行しています! 風しんとは2~3週間の潜伏期間を経て、発熱・発疹・リンパ節腫脹などの症状が見られる病気です。原因は風しんウイルスです。咳やくしゃみなどにより他人に感染します。別名「三日はしか」とも呼ばれています。治療薬はなく、子どもは比較的に症状が軽いのですが、脳炎などの合併症が2000~5000人に1人の割合で起こります。大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもよりも長く、関節痛がひどくなります。 昨夏から風しんの流行が見られ、全国調査では今年2月20日時点で、昨年同時期と比較し約20倍の患者数が出ています。今年3月末時点で、すでに昨年の報告数2353人を上回っています。これまでにない患者数の増加が見られており、県内では昨年11人が風しんにかかっています。患者さんの多くが、定期予防接種がなされなかった世代である20~40歳代の男性でした。昨年の厚生労働省の調査によると、30~40歳代の男性の2割弱は風しんの抗体がありません。風しんは春から初夏にかけて流行するので、これからさらに患者数の増加が予想されます。風しんの患者数が多くなると「先天性風しん症候群」にかかるお子さんが増えて問題になります。妊婦さんが風しんにかかると 妊娠初期(特に12週まで)の妊婦さんが風しんにかかると、胎児が難聴や心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの症状を持つ「先天性風しん症候群」という病気にかかる可能性があります。昨年は全国で5人、今年は1人がこの病気にかかってしまいました。風しんにかからないようにするには 風しんを予防するには予防接種しかありません。妊娠している場合は接種できないので、妊婦さんへの感染を防ぐため、妊婦の夫、子どもやその家族の方が予防接種をしていない場合は接種してください。妊婦さんは妊娠すると風しん抗体を調べ、抗体の値が低い場合は出産後接種をするように言われます。接種した場合は2ヵ月の避妊が必要になります。県内ではまだ実施していませんが、流行を防ぐために東京都や一部の市町村ではワクチンの半額助成を行い、予防接種をしやすくしています。 現在、風しん流行のため風しんワクチンが足りなくなっており、十分な量が供給されていません。ご希望の方は麻しん風しん混合ワクチンを接種することをお勧めします。大人の方の多くは麻しんワクチンを1回しか接種していないので、麻しんの免疫をつけることにもなります。風しん単独のワクチンより混合ワクチンがよいと思われます。また、ワクチンをしたかはっきりしない場合は抗体の検査でわかりますが、費用もかかるため、抗体検査せず接種することをお勧めします。接種回数は子どもの頃の回数も含めて2回です。詳細はかかりつけ医に相談してください。祝、笛吹市で3ワクチン助成開始! 笛吹市では4月から、ロタウイルス・水ぼうそう・おたふくかぜの3ワクチンが公費助成となりました。公費助成は全額ではありませんが、個人負担が軽減されます。県内初でとても嬉しいニュースです。笛吹市在住の方は、ぜひ助成を活用して積極的に接種してください。合わせて他の市町村にも助成が広がっていくことを期待したいと思います。今年4月から予防接種法が一部改正され、ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン・子宮頸がんワクチンの3つが定期接種に加わりました。まだ任意のワクチンが残っています。早く定期接種化(=無料)してほしいものです。参考文献:国立感染症研究所ホームページ 風疹http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella/392-encyclopedia/429-crs-intro.html