ちびっこぷれす  Chibikko press 2013年4月号 NO.167

ちびっこぷれす Chibikko press 2013年4月号 NO.167 page 36/52

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36小児科Dr. 宮本の連載コラム午後10 時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間....

36小児科Dr. 宮本の連載コラム午後10 時、クリニックにて…    ?おほしさまの先生からの子育て応援“談”!?宮本直彦(みやもと・なおひこ)小児科医。山梨市加納岩総合病院勤務などを経て2004年、昭和町で夜間や休日の小児救急にも対応する医院・げんきキッズクリニックを開業。2009 年春、移転してリニューアル。クリニックと同じ敷地内に「げんき夢保育園」を開園。Vol.96 花粉症対策、万全ですか? 新年度をみなさんはどう過ごしていますか? わが家の子どもたちはそれぞれ進級だけなので落ち着いています。ただし担任の先生がどんな人かは気になります。入園・入学のあるご家庭においては、新生活を楽しみながら徐々に慣れていけるといいですね。 花粉症のみな様、この時期はとにかく憂鬱でしょう。私も花粉症で、薬を飲まずにいると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが止まりません。北海道と沖縄にはスギがないのでスギ花粉症はなく、羨ましい限りです。うちでは10 歳の息子が今年初めて花粉症になってしまいました。私よりも症状がひどく、飲み薬・点眼薬・点鼻薬でしっかり治療しています。花粉症用のメガネも買って使用したところ、効果があるようです。先日、干した布団に寝ようとしたら5 分後には目がかゆいと訴えてきました。今月はシーズンである花粉症のお話をします。はじめに 国民の4 人に1 人が花粉症と言われ、子どもの発症は低年齢化してきています。当科でも花粉症の発症年齢は3~ 4 歳から見られ、年齢が上がるほどに多くなっています。今シーズンの花粉飛散量は、例年と比較して少なかった昨年よりも多く、例年の2 倍程度とも言われています。スギ花粉の飛散は2 ~ 4 月です。5 月以降も症状がある場合は、ヒノキの花粉症かもしれません。専門の医療機関は鼻症状がメインであれば耳鼻科、目の症状がメインであれば眼科ですが、小児科・内科でも対応できます。症状と診断 典型的な症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみです。ひどい場合は集中力が低下したりして、日常生活に悪影響が出てきます。症状と合わせて、鼻の粘膜が腫れているかどうかや皮膚テスト、血液検査(血清特異的IgE 抗体)などを基に診断します。鼻水や鼻づまりの症状では感冒と区別しづらい場合もあります。目のかゆみを繰り返した場合は花粉症がかなり濃厚と考えてよいでしょう。子どもの場合、年齢が参考になり、0・1歳はあまりいません。治療法 治療は薬と花粉回避の2 本柱です。薬は飲み薬と点眼薬や点鼻薬があります。薬の種類は年々増え、副作用である眠気は少なくなってきています。合わせて服用回数も1 日1 ~ 2 回と少なくなり、飲みやすい味になっています。基本は飲み薬である抗ヒスタミン薬を内服します。症状の程度によって、点眼薬や点鼻薬を併用していきます。症状がひどくなる場合はさらに抗ロイコトリエン拮抗薬を追加する場合もあります。 症状が重い場合は、スギのエキスを注射して根本的に治す特異的免疫療法や鼻閉を改善するためのレーザー手術や切除術などがあります。 受診が難しい場合は抗ヒスタミン薬などがドラッグストアでも販売されています。花粉症の薬は副作用で眠気が気になりますので、眠気の少ない薬を選んでください。 花粉を避けるには1. 飛散の多い時は、外出を控える。2. 飛散の多い時は、窓・戸を閉める。3. 飛散の多い時は、外出時にマスク・メガネを着用する。4. 外出時、毛織物などのコートは避ける。5. 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔・うがい  をし、鼻をかむ。6. 掃除を励行する。以上を参考にしてください。子どもは外に出ないで生活することは不可能ですので、できることからやっていきましょう。最後に、究極の治療はスギをなくすことです。伐採し別の木に植え替えるなど抜本的な話を進めていただきたいと思います。BCG 接種推奨時期が「生後5 ヵ月から8ヵ月未満」へ変更 生後2 ヵ月から始まる予防接種ですが、種類も回数も多くスケジュールが密であることと、生後早期の接種で起こる骨炎などの副作用を減らすために、BCG 接種時期が今までの「生後6 ヵ月未満まで」から「1 歳未満まで」と引き上げられました。また合わせて推奨時期が「生後5 ヵ月から8 ヵ月未満」に変更されました。今月から適用されますので、今までよりスケジュールが立てやすくなります。参考文献:『アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2010』 日本アレルギー学会/協和企画『花粉症と周辺アレルギー疾患』 斎藤博久/診断と治療社