ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年9月号 NO.208

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2016年9月号 NO.208

18親子の時間がもっと楽しくなる作文倶楽部トトロ流 ── 子どもが撮る写真のススメ「作文」の地味なイメージを覆す、体験型の作文倶楽部トトロ。子どもたちは大自然に飛び出し、物語を創ったりディベートしたり、写真を撮ったり。岩崎美紀先生に聞きました。子ども×写真の面白さって何ですか?編集部 作文倶楽部トトロでは、写真を使った講座もあると聞きました。岩崎 はい。例えば『いっしょだよ』という写真絵本を題材に感想文を書いた時は「おうちの周りを散歩して、“一緒に暮らしているもの”の写真を撮ってきてね」という宿題を出しました。編 どんな写真がありましたか?岩崎 花とミツバチ、ゴーヤと青虫…その中に一見田んぼだけの写真もあって。「何が一緒?」と聞いたら「苗の仲間がいっぱいいるんだよ」と。編 大人にはない発想!岩崎 そうなんです。親御さんはよく「この本で感想文が書けるんでしょうか?」って心配されるんですけど、どんな本でも大丈夫。子どもは大人の度肝を抜くような発想をしてきますよ。ピンボケでも OK !編 写真だからこそ引き出される表現もありますか?岩崎 写真には情景をこと細かに思い出させる力がありますね。手軽に撮れるし、親子のコミュニケーションの糸口としてもすごくいいと思う。うちの小2の息子も出かける時に簡易なカメラや古いデジカメを持っていくんですが、ピンボケてたり一見謎の写真が多いです。カラのお弁当箱とか原っぱだとか。でも写真を見ながら、「おいしかったよ、全部食べたよって伝えたくてカラのを撮ったんだ」「AちゃんとB ちゃんがここですっごくたくさん四つ葉のクローバーを見つけてね、それから…」という感じで、目に浮かぶようにどんどん話が出てくるんです。編 うまい下手じゃないんですね。岩崎 子どもの場合はそんなの気にしないほうが断然面白い! ボケててもいいんです。撮った時の気持ちが何より大事で、それを喚起させる装置として写真は優れていると思います。ママも一緒に面白がっちゃおう編 トトロでは、文章を書くだけでなく、春夏秋冬ごとに野外体験をしたり、ディベートをしたりしていますよね。それはなぜですか?岩崎 子どもたちと一緒にいると、文章って頭だけで考える世界ではないんだなあと感じるんですよ。普段から外遊びをして自然にふれている子の言葉って絶対的に面白いですし。編 例えば?岩崎 ある時、『さかさ町』という何もかもが逆転してるという設定の本を題材にして「何が逆さまなら面白いか?」をみんなで議論しました。「昼と夜が逆転したらいいな」という意見が出て、「その世界には、月の光で咲く花があるかもしれない」と言った子がいたんです。編 面白い!岩崎 すごいと思いました。これは、夜の情景を実際に体験しているからこそ出てきた言葉だと思います。実感のこもった表現にこそ、その子らしさが宿る。大人目線だと「でっかい→大きい」といった具合に、つい文章や言葉をスマートに直しがちです。でもママたちには、子どもならではのごつごつした表現を一緒に面白がってほしいですね。無理に何か特別な経験を与えなくても大丈夫。ママ自身が好きなことを一緒にやって楽しめば十分です。その時、子どもから出てきたちょっとした言葉をメモしておくといいですよ。その瞬間にしか出てこない言葉が消えていくのはもったいないから。編 そのメモはどうしますか?岩崎 少し手間でも何かに記録しておきたいですね。例えば私の場合は、フォトブックより文章がたくさん入る「フォト本」を子ども別に毎年作っています。子どもたちの言葉を思い出してほっと癒されたり、元気をもらったり。子ども自身も「ぼくこんなこと言ってたの!」って大笑いしたり。宝物の一冊になりますよ。作文?楽部トトロ/ TEL 090-5874-3598