ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年2月号 NO.201

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2016年2月号 NO.201

4 寒くなってきた。以前は冬季も庭の焚き火で弁当を食べていた。その時ご飯を食べたら「シャリ」と音がしたことがあった。白飯が凍っていたのだ! なんて職場。最近は6畳2間ほどの園舎で食べている。大人が倒れてしまうからだ(笑)。 この時期保温弁当を持参する子が多くなる。凍ってない弁当は幸せだ。ただこの保温容器、昼には密封状態になり子どもの力では開かなくなる。先日も保温容器の味噌汁が密封されていた。持ち主のひろちゃん(年長女児)が「開けられない」と言うと、3人の女子が手伝った。1人が本体を持って数名でふたを回す。ただ右回りに回しているので、どんどん閉まっているようにも見える。ま、いいか。自分たちで気づいてほしいのでコラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也味噌汁第  回見守った。その日、午前中バードケーキを作ったので、子どもたちの手には油がついていた。手を洗いに行く、開かない。タオルで巻いて開けてみる、開かない。タオルを濡らしてトライする、開かない。子「わかった!太郎は!」。太郎君に頼む、が開けられない。子「ひろとは!」。ひろと君にも開けられない。弁当箱が開かない時、フォークを隙間に差し込んで開けることがある。子「そうだ!フォークは?」。子「これは隙間がないからだめ」。再び数名でふたを回す。と、まぁまぁ長時間にわたり色々な方法を試した。すると側に座っていた男子が「オレ食べ終わった!」と言った。それを聞いた女子たちはびっくりして「わかった、一応食べよう」と、自分の席に戻り食べ始めた。誰かが食べ終わるまでの長時間、食べずに粘っていたということだ。どれだけがんばっていたのか、あきらめない子どもたちだ。私は食べている彼女たちを見て、いつもより食べ方が早いと感じた。もしかして…と思ったら、やはり食べ終わった子から再び集まってきたのだ。いや~、まだあきらめないの! 彼女たちは再び色々な方法で味噌汁のふたを開け始めた。そうこうしているうちに、ほとんどの子どもたちが食べ終わる時間になった。タイムリミットが近づいたのだ。保育スタッフが一言言った。「もうそろそろ終わりの時間だよ」。子どもたちはそのスタッフに保温容器の下方を持つように頼み、ふたの部分を持ち主のひろちゃんが回した。ものすごい顔。力が入った。今までの本気に35