ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2016年1月号 NO.200

ページ
5/44

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2016年1月号 NO.200 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2016年1月号 NO.200

5神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で〝子どもたちが自分で考え、自分で決める?保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。子どもというのはまだ数年しか生きていないのにそこはわかる。だから怖くてすごいのだ。 先日も昼食時、子どもたちと“中島は怖いか怖くないか”という話をしていた(笑)。たぶん子どもたちにとって、中島はとても怖い存在なのだと思う。ピッコロを始めて9年たつが、私は今まで感情的に怒ったことは1 回しかない( 1 回もある…か)。なのでものすごく強圧的に、声を荒げて怒るわけではない。例えば友だちに「バッカじゃね~」と言った子に、「あれ、今バッカじゃね~って言った?」と、普通の口調で伝える。子どもたちは自然と自分がやったことに向き合うことになる。彼らのいい大人になりたいという思いはものすごく強いので、自分に向き合えば今の行 為がよくなかったと気づく。自分がやったことを振り返らせられる。その鏡のようなものを目の前に出す役目が 中島なのだ。だから怖いと感じているのだと思う。その場では中 島は怖い、怖くない、色々な意見が出た。すると突然年中男児がこう言ったのだ。「先生ががんばることは怒ること」。げ、「あっ、そ、そうなの。じゃ、がんばるね」。不意討ちに私はそうとしか言えなかった。すると彼はまた言ったのだ。「先生が怒れば怒るほどいい子が増える」。なんてこと。するとその横にいた年少女児もこう言った。「私もそう思う。先 生やお母さん( 保 護 者であり保育スタッフでもある)が怒るといい人が増える」。いや~参った。彼らは自分が怒られて嫌だとかいいとか、そこを言っているわけではない。大人のやっていることが社会にどう影響するのか、そこの話をしているのだ。中 島や保 育スタッフが怒ることでいい人が増えるかどうかはわからないが、そこを幼 児が 見ていた。完敗だと思った。この子たちは3年しか生きてないのにこんな話ができるのだ。 この時期ピッコロでは、毎日腰を抜かすことが起きる。参ったと言いながら、でも幸せな季 節がまた来た、と心の奥が笑っている。