ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年10月号 NO.197

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年10月号 NO.197

5神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」をスタート。以来、森のようちえんの活動を実践し続けている幼児教育の専門家。自然の中で〝子どもたちが自分で考え、自分で決める?保育スタイルが注目を集める。現在は約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。間を費やした。大 人こんなことできますか。あきらめない子を育てているつもりだけれど、ここまでとはさすがに泣けてくる。子どもはいつも大 人の想 像を超えるのだ。 後で途 中で野菜を切りに行ったひろちゃんと話をした。私は3 0 分も交渉していた彼女が、どうして野菜を切りに行ったのかが気になっていた。「先生や友だちに何か言われるから」という理 由だったら嫌だなと思ったからだ。それは他 人に左 右されているということになる。中島「どうして野 菜を切りに行ったの?」。ひろちゃん「もう切った方がいいと思ったから」。中 島「 私や友だちに何か言われるから?」。ひろちゃんはハッキリ言った。「 違う、自分で食べるカレーは作った方がいいと思ったから」。よかった。人の目を気にしていたわけではない。しかも自分の昼 食に対して責 任を持っているということだ。そして更に聞いてみた。「最後までがんばったれなちゃんのことはどう思う?」。するとすごいことを言ったのだ。「私はあきらめない気持ちが小さくて、れなちゃんはあきらめない 気 持ちが 大きい」と。更に聞いた。中島「その自分はだめだと思うのかな?」。ひろちゃん「思わない」。中島「なんで?」。ひろちゃん「今度れなちゃんみたいにあきらめない気持ちが大きくなればいいから、がんばりたい」。そう言った。私は泣きそうだった。ひろちゃんは自分は途中であきらめたと思っている。しかしその自分に劣等感がない。あきらめた自分でもいい、今度あきらめないようにがんばればいい 。がんばれなかった自分に大丈夫を出せる、がんばってもがんばらなくても自分は大 丈 夫 。それが本当の意味での自己肯定感なのではないか。何かに打ち込んでやりとげる、だから自己肯定感が育まれる。それもいい。しかし何かをできてもできなくても自分は生きていていい、存在していて大丈夫。そう思えたら一生幸せなような気がする。すごい子どもたちに育っている。あきらめない気 持ちが大きい小さい、そんなことで人間の価値は決まらない、生きてるだけですごいことなのだから。