ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年10月号 NO.197

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年10月号 NO.197

18子どもの成長に必要なものが畑にはある…甲州市・みいづ保育園“わくわくする畑”の実践無農薬で不耕起栽培。驚くほどたくさんの作物が育つ畑は自然のミニモデル。そんな畑を通して、様々な活動を行っているみいづ保育園に取材しました。“畑育”を掲げる保育園の理念、そして畑が子どもたちにもらたす恵みについて伝えます。 朝9時半、子どもたちは続々と園舎隣の畑にむかいます。畑には春の山菜から始まり、梅・トマト・ピーマン・カボチャなど様々な作物が。お米を育てている「みいづわくわく田んぼ」もあります。「にら」「ほうれん草」などと書かれた札を給食室から持ってきて、その日の給食に必要な食材を調達するのは年長児の当番さん。畑は毎日の遊び場 甲州市塩山にあるみいづ保育園の畑はとってもユニーク。子どもたちにとってのそこは、種まきから収穫までの農業体験をする場であるだけでなく、日々の自由な遊びの場でもあります。木登り、泥んこ遊び、虫捕り、花や小石を使ってのおままごと…。そして畑に実っているものは、その場でとって食べてもOK! 先生が包丁や塩を用意して、即席のサラダ作りが始まったりもしますが、基本的に何をするかは子どもたちの自由。遊具もおもちゃもない畑だけれども、同時多発的に様々な遊びが展開しています。園舎に戻ってからも、畑から拾い集めた物で工作をしたり、畑の作物や生き物が登場する紙芝居を楽しんだり。あるいは収穫した梅を売って稼いだお金を持ってバスに乗り、苗屋さんで各自好きな苗を買う園外保育を行うことも。畑をベースに様々な活動が広がっているのです。小さき者と共に生きる 食育からさらに一歩踏み込んだ“畑育”をうたう保育園。園長の日原瑞枝さんは「畑にいるだけで、子どもの成長に必要な要素にふれられる」と言います。畑を飛び回るだけで運動神経が鍛えられ、作物を育てているうちに自然とルールを覚えていく。土・水・石・草花・小さな生き物は、絵本や粘土や絵の具以上の教材…。一年通して畑を見ることで、四季のサイクルや命のサイクル(野菜を食べたものが排泄物になり、排泄物がまた野菜を育てる)を知ることも大切にしています。「今は夢中になって遊んで、いずれは自然の中で生きる動物や植物に心が動くような子になってほしいです」。人間もまた自然の一部。蛙やトンボが生きる姿を見て自分が生きることの喜びを感じ、他者と“共に生きる”ことをベースに様々な問題を解決していく。そんな人間に成長してほしいと願っているのです。みいづ保育園/甲州市塩山上井尻692-1/TEL0553-33-6842