ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年9月号 NO.196

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年9月号 NO.196

19編集部 やまなし暮らし支援センターでのお仕事って、どんな内容ですか?倉田 大まかに言うと、山梨への移住希望者に仕事や住まいなどの情報提供をすることです。だけど一人ひとり求めているものは違うので、具体的な情報提供やアドバイスの前にその人の希望や悩み、将来の夢などを聞きます。カウンセリングですね。そして背中を押してあげる。編 様々な研修も行っていますね。倉田 研修の多くは県内の市町村むけです。今、多くの市町村が移住者の受け入れのために動き始めています。専門の移住相談員を置いたり、無料のお試し住宅を用意したり。特に北杜市は熱心で、子育て世帯むけの田舎体験ツアーを企画したりしています。お金じゃないものに価値を編 移住者っていうと、リタイアしたシルバー世代っていうイメージでしたが…。倉田 最近は 30代40代の子育て中の方からの相談が多くなってきました。編 なぜだと思います?倉田 都会の忙しい暮らしに疲れている人が多いのではないでしょうか。1年の半分以上を海外での仕事に飛び回っていたパパが子どもが生まれたのを機に「子育てをするのに、こんな暮らしでいいのか?」と、山梨に移住したケースもありました。都会だと子どもが痛ましい事件に遭うことも多く見聞きしますし。編 若い人の価値観が変わってきた?倉田 リーマンショックや東日本大震災が影響しているのかもしれません。お金とは別のところに価値を見出す人が増えてきた。それは何かというと、家族や絆、あるいはすごす時間───誰と、どこで、どんな空気感の中ですごすかを重視するようになってきたと感じています。この傾向は今後もずっと続くと思いますよ。森のようちえんに興味編 山梨で子育てしたいと思う人は、そこに何を求めているのでしょう?倉田 色んな価値観があると思うのですが、自然環境の豊かな場所で子育てしたいと考える人は多いです。農業をしながら、子どもとじっくり向き合って暮らしたいという人もいます。それから森のようちえんピッコロや南アルプス子どもの村小学校に興味があって、その情報を求めてここの窓口を訪れる人もいます。編 子どもの教育という観点から、山梨に注目する人たちもいるのですね。倉田 ピッコロも子どもの村小学校も、移住希望者の相談を受けている過程で初めて知りました。ご飯を食べさせて、学校に行かせて、勉強させて…大人の感覚であれこれを“させる”教育じゃなくて、本当に子どもの人格を育て、物事を自分で考える力を育てる教育ですね。私も自分の子どもにそれをやりたかった(笑)。山梨 100万人構想は実現できる?編 山梨県は「100 万人都市・やまなし」を目指していますが…。倉田 移住したい県 NO.1と注目されている今がチャンスだと思います。県として、どんなことをセールスポイントとし、どんな地域づくりの未来像を描くのかを早く打ち出してほしい。例えば、森のようちえんに補助を出して、その教育的なメリットや自然の豊かさを県として PRするのもいいと思っています。編 他県ではそういう動きもありますね。倉田 お金じゃないものに価値を見出し、また子どもにとって本当によい教育は何か?と真剣に考える人たちが増えている。そこに気づいてほしい。行政の職員だけじゃなく、県民一人ひとりがね。編 改めて、 山梨で子育てすることの魅力は?倉田 風の匂いを感じ、川のせせらぎに足を浸して、小さな生き物を追いかけて遊ぶ。子ども時代にそうやって五感を使って感性を養うことができる。それは無限のメリット。塾のお勉強もネットの便利さも、豊かな子ども時代の後で知ればいい。小さい頃の楽しい思い出は心の中にずっと残るものだし、それが郷土愛にもつながるのだと思っています。編 100 万人構想の根本はそこですか?倉田 やまなし暮らし支援センターの仕事はいわば対症療法。根本治療は、子どもが生き生きとすごせて豊かな教育を受けることができる。そんな故郷づくりだと思います。それができれば、多くの人が山梨に来て山梨を好きになり、そして定住してくれるのではないでしょうか。移住したい県NO.1の理由は…? 移住専門相談員の目から見た“いいね!山梨で子育て”田舎暮らし希望地域ランキングで山梨県が NO.1に! 最近は子育て中の若い家族からも山梨が移住先として注目されているようです。お話をうかがったのは、やまなし暮らし支援センター移住専門相談員の倉田貴根さん。たくさんの移住希望者と接してきた倉田さんの目から見た、山梨で子育てすることのメリット、そしてそこで育つ子どもたちへの思いとは?やまなし暮らし支援センター2013年に山梨県がNPO法人ふるさと回帰支援センターに委託する形でスタート。有楽町に窓口を開設し、移住専門相談員を配置。移住希望者への情報提供、各種セミナー開催、山梨県のPRなどの業務を行う。千代田区有楽町 2-10-1東京交通会館5階TEL03-6273-4306田舎暮らし人気ランキング1位 山梨県2位 長野県3位 岡山県  4位 福島県5位 新潟県※ NPO法人ふるさと回帰支援センターが、2014 年の調査をもとに発表。(調査対象者 2885人)