ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年4月号 NO.191

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概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年4月号 NO.191

4 ピッコロ卒園生と年長児対象のプログラム(森の学校)を年8回行っている。先日の最終回は「何をやってもいい日」だった。焚き火で焼肉を作りみんなに振るまう子もいれば、マシュマロ焼きや焼きいもをする子もいた。かと思えば木登りや、1日中けん玉をやっていた子もいた。人それぞれでとても面白い。4年生のK君は白飯を持ってきて、焚き火で鮭を焼いて昼飯にした。私にも味見させてくれたが、とてもおいしかった。彼もそう感じたのだろう。「人生で一番うまい」と言った。それを聞いた保育スタッフが子どもたちに「人生」の意味を聞いたのだ。年長男児K君はすぐに言った。「心」。幼児ってこんなこと話せるのだ。 年長3学期には、3年間お世話になった両親に自分たちで昼食を作ってさしあげるという行事「ご招待ランチ」がある。小学校へ向けての文字の導入のため、両親への招待状も自分たちで書く。その日は普段絶対に入ってはいけない2階のロフトに入れる。そこで集中して文字を書くのだ。3学期ともなれば、教えなくてもなぜかほとんどの子が文字を書けるようになっている。 私の仕事は子どもたちの中身を育てることだ。その子の現在のレベルより少し高いハードルを用意する。それは彼らがほんの少しがんばれば越えられる高さだ。自発的かつ自力で乗り越えるからこそ彼らの中身が育つ。ハードルは高すぎても越えられないし、低すぎたらバカにしていることになる。なので子ども理解は必須なのだ。そのため私は、そこで彼らに人生について聞いてみることにした。「この間の森の学校で人生って何かなという話になったのだけれど、本当はどういうことだと思う?」と。この聞き方では幼児には難しい(わざと)。しかも内容が哲学的なことなので、答えられないと思っていた。すると数日前に答えたK君はすかさず言った。「その話はもうしない」(笑)。だよね、2度目だし…と思っていると、次の瞬間にこう言った。「人生って心」。無下に断ったことに申し訳なさを感じたのかもしれない。優しい子だ。「人生は心」か…。私が考えていると、子どもコラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也人生って第  回25