ブックタイトルちびっこぷれす Chibikko press 2015年2月号 NO.189

ページ
4/48

このページは ちびっこぷれす Chibikko press 2015年2月号 NO.189 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

ちびっこぷれす Chibikko press 2015年2月号 NO.189

4 20年前東京で幼稚園教諭をしていた。3歳児の担任だったが、隣のクラスはいつもお行儀がよかった。しかもお片づけも上手。どうしたらあんな子どもたちに育つのだろうと思っていた。そして進級。彼らは4歳児クラスになった。クラス替えはなく担任だけが変わった。すると隣のクラスのお行儀が一気に悪くなった。当然お片づけもできないのだ。そうか、担任の影響力ってこんなに大きいのだと思ったが、“待てよ、これはいいことなのかな”とも思った。担任によって子どもたちの態度が変わる。それを自主的とは言わない。それは自分の人生なのか。担任の人生を生きているだけではないのか。大人に依らず、自分の人生を自分で作る子どもに育てられないか。それが子どもを信じて待神奈川県生まれ。幼稚園・保育園での勤務を経た後、2007年に北杜市で「森のようちえんピッコロ」を開始。以来、森のようちえんの活動を実践し続ける幼児教育の専門家。自然の中で“子どもたちが自分で考え、自分で決める”保育スタイルが注目を集める。現在約30名の子どもたちとともに、驚きと笑いに満ちた日々を送る。www.mori-piccolo.jpTEL0551-46-2256コラム/中島久美子 写真/砺波周平 デザイン/若岡伸也愛と五感のメモ/五味愛美(五味五感企画)なぜ待つ保育なのか第23回つ保育のきっかけだった。自主的というのは、子ども自身が片づける意味やお行儀よくする理由がわかっているということだ。マニュアル的に「先生が言ったから」だけで動くのではない。そんな保育方法はどこにあるのだろう。シュタイナーかもしれない、モンテッソーリ?ドイツ?どこ?探しまくった。しかししっくりくる保育方法は見つからなかった。その時に一冊の本に出会ったのだ。「発達理解と保育の方法」(本吉マト子さん著)。目から鱗だった。驚きすぎて泣けてきた。これだと思った。その本には“保育は人間性です”と書いてあった。そうだったのだ。私は自分で考え自分で決める子を育てたいのに、自分はマニュアルを探し続けていたのだった。保育や子育てにマニュアルはない。保育は職人だ。